11月29日から2019-2020UCIトラックワールドカップ第3戦香港大会が開催される。
第1戦、第2戦と世界チャンピオンが猛威を振るっている短距離種目。第3戦では強豪ニュージーランドが今シーズン初参戦となる。果たして勢力図に変化は生まれるのだろうか。
チームスプリント
優勝候補筆頭は今シーズンのワールドカップで2連勝中の、チームスプリント現世界チャンピオンであるオランダ。1〜4戦まで4連勝という記録を打ち立てた昨シーズンを彷彿とさせる勢いで今年も勝利を積み重ねている。第3戦はニルス・バン・ツエンダーダール/ハリー・ラブレイセン/マティエス・ブフリの3名が名を連ねた。
ツエンダーダールとラブレイセンはここまでワールドカップのチームスプリントを2連覇中。連覇メンバーのジェフリー・ホーフラントが外れ、現ケイリン世界チャンピオンのブフリへとメンバーチェンジを行った形だ。ブフリはチームスプリントにおいてBEAT CYCLING CLUBにて第1戦3位、第2戦4位の結果を残している。
ずば抜けて選手層の厚いオランダは、既に世界選手権とオリンピックを”誰が”走るのかという段階にシフトしているに違いない。メンバーチェンジによるタイムの変化に注目だ。
対抗馬はワールドカップ第1戦で4位、第2戦で3位の結果を残しているフランスだ。1-2戦ではメンバーの入れ替えを繰り返していたため今ひとつタイムが伸びずにいたが、第3戦は昨年の世界選手権で銀メダルを獲得しているグレゴリー・ボジェ/クエンティン・ラファルグ/ミカエル・ダルメイダの3名でエントリー(世界選ではダルメイダは1回戦のみ出走)。エース格の選手を並べ、オランダの連勝に待ったをかけるか。
尚、昨年の世界選の予選と決勝を走り、ワールドカップ1-2戦でもチームスプリントに出場していたセバスチャン・ビジエは、既に世界選手権へ向けた合宿へ入ったため、メンバーからは外れている。
今シーズンのワールドカップチームスプリントに初登場のニュージーランドは本命メンバー、エドワード・ドーキンス/イーサン・ミッチェル/サム・ウェブスターという昨年の世界選手権を戦った3名が顔を揃えた。このメンバーで今年のオセアニア選手権も制しており、仕上がりも上々だろう。
スプリント
スプリントにおいて世界最強と言っても過言ではないハリー・ラブレイセンと、ジェフリー・ホーフラントのオランダコンビが今大会もエントリー。世界選手権、ヨーロッパ選手権、ワールドカップ1-2戦の全てでワンツーフィニッシュを飾っている彼らは、今大会でも存分に暴れてくれるに違いない。
昨年度世界選手権3位でありヨーロッパ選手権でも3位のマテウス・ルディク(ポーランド)、アジアチャンピオンのアジズルハスニ・アワン(マレーシア)、2013年の世界チャンピオンであり、怪我での戦線離脱を経て昨年の世界選手権では銅メダルを獲得するまでに復活してきているシュテファン・ボティシャー(ドイツ)らの活躍も期待される。
ワールドカップ第2戦で銅メダルを獲得し、スプリントでも世界で闘える力があることを見せつけた深谷知広にも注目だ。
ケイリン
マティエス・ブフリ(オランダ)、新田祐大(日本)、シュテファン・ボティシャー(ドイツ)という昨年の世界選手権のメダリスト3名が顔を揃えた。
また、1kmTT世界チャンピオンのクエンティン・ラファルグ(フランス)、2017年の世界選手権ケイリンチャンピオンのアジズルハスニ・アワン(マレーシア)、1kmTT世界選手権銀メダルのテオ・ボス(オランダ/BEAT CYCLING CLUB)ら強豪選手も出場予定であり、第3戦はハイレベルな争いが予想される。
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