先週末に2019-2020UCIトラックワールドカップ第1戦を終え、いよいよ本格的なシーズンインを迎えたトラック競技。

早速第1戦の結果が反映されたオリンピックランキングが公開された。日本代表選手が東京オリンピックに出場するためには、2019-2020UCIトラックワールドカップ第2戦でどのような結果を残すことが求められているのだろうか?

東京オリンピックへの出場をテーマに、ワールドカップ第2戦の見どころをチェックしていく。

オリンピックの出場枠の獲得条件は複雑であるため、こちらの解説記事も合わせて参照しながら読み進めて頂くと、よりわかりやすくなるだろう。

【トラック】2020年東京オリンピックの出場枠はどうやって獲得するの?

男子ケイリン

日本からは松井宏佑(JPC)、小原佑太(日本ナショナルチーム)の両名が出場予定。

第1戦での松井の銅メダル獲得により、日本はランキング1位をキープ。優勝したハリー・ラブレイセン擁するオランダに差を詰められはしたものの、ボーダーラインである7位イギリスとは余裕の2000ポイント差を保っている。更にチームスプリントで枠を獲得した国は計算から除いて良いため、実際にはもっと大きなアドバンテージを持っていることになる。

オリンピックポイントのことだけを考えるならば、
・準決勝に駒を進めて順位決定戦へ残ること
ができれば安泰と言って良いだろう。1回戦、敗者復活戦で負けることだけは避けたいところだ。

男子スプリント

第2戦では深谷知広(Dream Seeker Racing Team)、小原佑太(日本ナショナルチーム)の2人がエントリー。

チームスプリントによって枠を獲得できそうな8ヶ国を除くと、日本は事実上の2位につけている。大きく崩れることがなければこちらも安全圏と言っても良いだろう。

昨年度の成績を鑑みると、
・1回戦を勝ち上がり、2回戦へと駒を進めること(=16位以内)
が日本代表の最低限の結果として求められるのではないだろうか。

第1戦では小原が15位と、着実にポイントを積み重ねている日本ナショナルチーム。深谷との両体制でどちらも1回戦を勝ち上がることができれば、結果として大きくポイントを獲得することが出来る。(スプリントでは各国上位2人分のポイントが加算されるため。)

また、深谷は昨シーズンの第2戦で6位に入り325ポイントを稼いでいるため、今大会ではその結果を上回ることにも期待したい。

男子オムニアム

日本からは若手の今村駿介(日本ナショナルチーム)が出場予定。

日本よりもランキングが下位のオランダ、ベラルーシ、ギリシャ、スイス、ベルギー、アメリカ、カナダなどが総じてエントリーしているため、第2戦は今の出場枠獲得圏内を維持するために重要な大会となっている。

現在の順位は、昨シーズンに橋本英也がワールドカップで2回獲得した1桁順位(第5戦:5位、第6戦:7位)でのポイントに寄るところが大きいため、前述のライバルとなる国に勝つだけでなくここで8位以内に食い込むような走りを見せることが出来れば、東京オリンピックでの出場枠獲得に大きく前進することになる。また良い結果を出せばポイント差の近いライバルたちにプレッシャーを与えることも出来るため、1つでも上の順位を期待したいところだ。

女子ケイリン

第1戦に引き続き太田りゆ(日本ナショナルチーム)が出場する。

チームスプリントで枠を獲得出来そうな国を除くと、現在日本は事実上の2位。実際のボーダーラインは3260ポイントのカナダとなる。

第1戦にてイ・へジン(韓国)が銀メダルを獲得したため、韓国もボーダーライン争いに名乗りを上げてきた。下位の国との差が男子ケイリンほど無いため油断は出来ない状況。

今の日本の順位は昨シーズンのワールドカップでのメダル獲得(第3戦:3位、第5戦:2位)で得たアドバンテージによるため、それに近い成績を残すことでケイリンでの出場枠を堅固なものにしたいのが現状となっている。

第2戦の太田には
・決勝へ進出し、他の国とのポイント差を広げる
ことが求められるだろう。

女子スプリント

こちらも同じく太田りゆ(日本ナショナルチーム)がエントリー。

依然としてボーダーラインとは大きな差が開いている。そして、チームスプリントのランキングで出場枠を獲得出来そうな上位8ヶ国を除くと、現状はボーダーラインギリギリの7番目というのも変わらない。1つ下の国との差も詰まってきているため、今はとにかく少しでも上位の結果が欲しいところ。

女子スプリントでは太田自身が口にしていたように
・予選で10秒台を出すこと
がまずは求められるだろう。そして
・1回戦を勝ち上がってベスト16に入ること
が出来ればこの熾烈な争いから一歩抜きんでることが出来るはず。

尚、スプリントにおいては各国上位2人分のポイントが加算されるため、小林優香との2人体制となってからが本当の勝負となる。

女子オムニアム

日本のエース梶原悠未(日本ナショナルチーム)が登場。

ボーダーとの差は大きいため、トラブル無く梶原が実力を発揮し続ければ出場枠獲得は間違いないだろう。
(参考 昨年度 第5戦:3位、第4戦:6位、第2戦:7位)

オリンピック出場の先にある、東京でのメダルを見据えた積極的なレースを期待したいところだ。

女子マディソン

第2戦は梶原悠未/中村妃智(日本ナショナルチーム)のペアで出場。

現在のランキングは10位だが、女子チームパシュートで上位の国(次ページ参照)を除くと事実上6位。アイルランド、ウクライナ、メキシコ、スイスはいずれもチームパシュートでの出場枠の獲得の可能性が低いため、これら4ヶ国との関係性が重要になってくる。

第1戦では上記の4ヶ国全てが出場し、差を詰められた形となっている。尚、日本はまだ出場していないためワールドカップのポイントはまだ加算されていない。

ランキングが1つ上のポーランドとは1000ポイント近い差が開いているため、日本代表の焦点はランキングを落とさないことに当てられるだろう。第2戦にはアイルランドスイスが出場予定。これら2ヶ国には負けられない

出場しない種目のランキング