11月2日、東欧ベラルーシで開催中の『2019-2020トラックワールドカップ第1戦』は大会2日目を迎え、男子オムニアムでイギリスのマシュー・ウォールズがエリア・ビビアーニ(イタリア)、ラッセ ノーマン・ハンセン(デンマーク)といった名だたる強豪を退け優勝した。
中距離4種目、それぞれの着順ポイントの合計で最終的に勝者を決めるオムニアム。この種目でも東京オリンピックでのメダル獲得を視野にいれたスター選手たちが集結した。
中でもリオ五輪金メダリスト、イタリアのエリア・ビビアーニ、ロンドン五輪金メダリスト、ラッセ ノーマン・ハンセン等、歴代の金メダリストの走りに注目が集まった。
スクラッチ
最初の種目は、40周10kmで1着を争うスクラッチ。
レース中盤でマシュー・ウォールズ(イギリス)、ルイ・オリベイラ(ポルトガル)、ラマン・チシュコウ(ベラルーシ)、アルチョム・ザカロフ(カザフスタン)が逃げ集団を形成。
そのまま終盤まで逃げ、ウォールズとオリベイラがメイン集団を1周追い抜く”ラップ”に成功。チシュコウとザカロフはラップには届かなかったものの先頭でフィニッシュ。結果的に逃げた4人が上位を固めた。
集団内でフィニッシュしたハンセンは5着、ビビアーニは7着で最初の種目を終えた。
テンポレース
2種目のテンポレースは1周ごとにフィニッシュラインを通過した選手に1ポイントが与えられ最終的に合計ポイントで順位を争う種目。尚、集団を1周追い抜きすると20ポイントが加算される。
レースは序盤で2014年のマディソン世界王者、スペインのアルベルト・トーレスが単独で逃げを決める。そのままポイントを積み上げ、さらに集団追い抜きに成功し大量ポイントを奪った。
その後、立て続けに5人がラップを成功させ、ハンセン、ビビアーニ、ウォールズといった優勝候補選手たちが後手を踏む展開へ。
しかし、その状況の中、ビビアーニが状況を打開し始める。ウォールズと抜けだしポイントを重ね、さらにハンセンも加わってメイン集団に追いつき一気にラップを成功させて暫定順位を上げていく。
結果、トーレスが1位、ウォールズが2位、ビビアーニが3位でテンポレースを終えた。
エリミネーション
エリミネーションは2周に1回フィニッシュラインを最後に通過した選手がレースを除外され、最終的に残った選手が勝者となる種目。
レース序盤、いきなり波乱が起きる。優勝候補のハンセン(デンマーク)がレース序盤で姿を消しこの種目を17位で終える。そして緊迫した空気の中、次々と選手が除外されていく。
残り3人となった時点のメンバーはウォールズ(イギリス)、ビビアー二(イタリア)、ヤン・ウィレム・ファンシップ(オランダ)。
フィニッシュラインにむけて激しいスプリント合戦となり、まずはビビアーニが除外されてしまう。残すはウォールズとファンシップとなったが、ロングスプリントを得意とするファンシップが早い段階でペースアップを図ると、ウォールズは付いていけずに除外となる。
この結果、エリミネーション1位はファンシップとなった。
3種目を終えた暫定の総合順位は
1位:マシュー・ウォールズ(イギリス)116ポイント
2位:ルイ・オリベイラ(ポルトガル) 102ポイント
3位:エリア・ビビアーニ(イタリア)100ポイント