ベラルーシの首都ミンスクで開幕した『2019-2020トラックワールドカップ第1戦』は、11月1日に男女チームパシュート決勝が行われた。男子はヨーロッパ王者のデンマークが決勝で3分50秒207の好タイムを出してフランスに逆転勝ち。女子はクロエ・ダイガートらアメリカが優勝。強豪集まる開幕戦を勝利で飾った。
男子:世界で戦う条件、3分50秒台前半
予選
4kmの距離を1チーム4人で速さを競うチームパシュート。予選は大会前日に行われ、好タイムが続出。1回戦進出ラインの8位であるイギリスのタイムでさえ3分56秒425と、ワールドカップ初戦からハイレベルな戦いが繰り広げられた。
9月に行われた全日本トラック選手権でTEAM BRIDGESTONE Cyclingが更新した日本記録は3分57秒488。今大会に日本チームは出場していないが、日本記録を上回ってさえ予選通過が敵わない程に世界は加速している。日本がオリンピック出場権を獲得するには、出場するワールドカップ全てで、日本記録を常に上回り続けることが必要だと改て認識させられるレースとなった。
予選1位のデンマークは3分50秒723。1回戦ではさらにタイムを更新し3分49秒518。メダル決定戦ボーダーラインの4位に入ったイタリアが3分53秒464となった。メダル争いをするためには、3分50秒台前半をコンスタントに出さなければならない、ハイレベルな戦いだ。
決勝
決勝戦では予選からトップタイムを出し続けているデンマークと、1回戦で2番時計のフランスが対戦。
デンマークチームのメンバー
ラッセ ノーマン・ハンセン
ジュリアス・ヨハンセン
ラスムス・ペダーセン
マドセン・フレデリック
フランスチームのメンバー
トーマス・ドゥニス
コレンティン・エルムノー
バレンティン・タベリオン
ベンジャミン・トマ
ホームとバックにスタート位置が分かれ、対戦形式で行う決勝戦。序盤はフランスが快調にペースを刻み、デンマークからリードを奪っていく。
その差は徐々に開き、終盤の3000m通過時点でおよそ0.7秒差でフランスが優勢。このままフランスが逃げ切るかと思われたが、残り500mのタイム計測地点でデンマークが逆転。
土壇場で逆転したデンマークがそのまま先にフィニッシュラインを通過し3分50秒207で優勝。2位のフランスは3分51秒777。最後の最後でデンマークが逆転勝ち。直前のヨーロッパ選手権での勢いそのままに、デンマークがワールドカップ初戦の勝利を手にした。
3位決定戦ではイタリアとドイツが対戦。これをイタリアが制し、銅メダルを獲得した。
男子チームパシュート結果
優勝:デンマーク 3分50秒207
2位:フランス 3分51秒777
3位:イタリア 3分51秒689