2019年9月16日、日本競輪選手養成所内『JKA250』で開催された『第88回 全日本自転車競技選手権大会 トラック・レース(2019全日本トラック)』女子エリート ポイントレースで梶原悠未(筑波大学)が、全ポイント周回1着の完全優勝のみならず、+1ラップという驚異的かつ圧倒的な強さで4連覇目を達成した。
怒涛のラップバトル
距離20km、80周のポイントレース。10周ごとに先着順でポイントが付与される。1着通過が5ポイント、2着通過が3ポイント、3着通過が2ポイント、4着通過が1ポイントで、フィニッシュ時は先着順のポイントが倍になる。集団から先行して1周追い抜きを果たす(ラップする)と、対象選手には20ポイントが加算される。レース終了時に同点の場合、最終着順で優劣をつけるというレース。
女子ポイントレースには日本ナショナルチームから梶原悠未、鈴木奈央、中村妃智、中村愛花、上野みなみが出走した。
2019全日本トラック女子エリート ポイントレース スタートリスト
最初のポイントはスプリントに向けての位置争いで梶原は集団中心で塞がれる形となる。しかし鈴木奈央が9周目に飛び出すと、3車身の距離を梶原が詰めてホームストレッチでそのまま差し切って1着。次いで鈴木奈央、中村妃智、上野みなみと続いた。
2度目のポイント周回でも同じような展開で梶原が5ポイントを獲得。この時点で梶原10ポイント、鈴木奈央5ポイント、上野みなみ4ポイントとなる。
3度目のポイント周回はここまで得点に絡めていない池上あかりがロングスパートを試みるも、後方から梶原が捲くり、再度1着で通過する。
大きな展開はないまま48周目、ポイントをいまだに獲得できていない池上が再度ロングスパートを試みる。49周目バックストレッチでこれを許さない梶原が捲くって、5度目のポイント周回を1着で通過。そしてロングスパートをかけた池上は落車してしまいDNFとなる。
その攻防の中で集団から抜け出したのは上野。
梶原は集団内で静観していたが集団と上野のペースを見て加速すると、そのまま上野を抜いて6度目のポイント周回を1着で通過する。
6度目のポイント周回で、上野を突き放しポイントを獲得した梶原がさらに加速していくと、後続3人の集団へ合流し+1ラップ認定となる。1人になり苦しい上野も懸命に追走し集団へ合流して、上野も+1ラップ認定。これで上野は20点を加算し、2位争いから頭一つ抜きん出る。
7度目のポイントで中村妃智が2着通過。
最終ポイントを前にして、梶原は55ポイント、上野は33ポイントで1位2位は覆らない状況。7度目のポイントで中村と鈴木の累計ポイントが同点の13ポイントとなり、最終周回の着順で3位が決まるという状態になる。
最終ポイント周回を前に、全員がバンク上段に上がるほどの牽制が行われる。
最初に飛び出したのは3ポイント所持の中村愛花。
梶原はすでに優勝が確定しているものの、圧倒的な力で先頭となりフィニッシュ。
梶原は全てのポイント周回を驚異の1着通過、65ポイントで実力を見せた。
2位は梶原を追い、+1ラップ認定を受けた上野みなみが35ポイント。3位争いは最終ゴールを梶原の先行にしっかりつけた鈴木がそのまま2着入り、累計ポイントを19とし3位となった。