若干22歳にしてパリ2024オリンピックの舞台を経験した内野艶和。
迎えた2025年は、約半年にわたる欧州での武者修行を経て、『全日本選手権』では出場全種目で優勝し7冠を達成、『世界選手権』でもマディソンやチームパシュートで5位に入賞するなど、際立った存在感を放ち、成長を続けている。
中長距離組のエースと表現しても差し支えないほどの充実ぶりの背景には、『パリ2024オリンピック』での経験や、海外での生活があったと語る。
『ロサンゼルス2028オリンピック』に向けた戦いがスタートする2026年。沖縄合宿中に話を聞いた。
苦しみの中で得た経験値
Q:まずは2025年を振り返って、1年間の活動で印象に残っていることを教えてください。
オリンピックの翌年である2025年は、元々何にでも挑戦できる時期だと自分の中で思っていました。でもまさか、半年近く海外に行ける機会をもらえるとは思っていなかったので、とても有り難かったなと感じています。「競輪選手になると長期で海外に遠征するのは難しいだろう」と諦めていたので、行けると決まったときは驚きました。
Q:スイスのUCIコンチネンタルチームに派遣されて、欧州のロードレースをいくつも経験されましたね。実際に約半年をヨーロッパで過ごしていかがでしたか?
普段トラック種目で戦っている海外選手がなぜ強いのか、その人たちの強さにある根本的な理由がわかったような気がします。日頃からこんな風に過ごしていたら、それは強くなるわって。自分がまだまだやれるということも知れましたし、違った世界を見させてもらえて、すごく得るものが大きかったです。こんな機会をもらえて感謝しています。
Q:また同じ機会があったら海外遠征に行きたいですか?
しんどい部分ももちろんありましたし、帰りたいと思うことも正直多かったんですけれど(笑)、もう1回行けるとなったら、きっと行く選択をするだろうなと思います。それくらい、海外でレースに出る重要性を実感できました。半年はさすがに無理かもとは思いますけどね(笑)。
Q:それほどに欧州遠征で得たものが大きかったんですね。
そうですね、間違いなく。同時に、日本に帰ってきてから、いかに今が恵まれた環境なのかということも実感しました。サポートの有り難さなど、改めて気が付くことも多かったです。
まず狙うのはチームパシュート
Q:2026年の『世界選手権』から、ロサンゼルスオリンピックに向けたポイント争いが始まります。12月には各種目の出場枠も発表されましたね。
チームパシュートの出場国数が減って、8(10→8へ)になりましたよね。その枠を得ることができれば、マディソンとオムニアムでも(チームとして)出場できることになるので、そこが大事だと思っています。
今の女子のメンバーは個々の力がすごく高いので、もうちょっと上手く走ることができたら、チームパシュートのタイムは上がっていくだろうと思うんです。チームもチームパシュートでの目標をすごく明確にしてくれましたし、“日本チームにはもっと伸びしろがある”と感じています。
Q:その中心として頑張っていく?
まずは『ワールドカップ』でしっかりと結果を出して、今年の『世界選手権』に選んでもらえるようにしなければと思っています。自分がその筆頭にならないといけないですし、若い選手たちのお手本のような存在になりたいという想いは出てきました。
一方で、みんながそういう気持ちを持ってやるべきだとも思うんです。切磋琢磨する、というのは本当に大事。自分も後輩の選手から刺激をもらうことも沢山あります。自分としては結果を出しながら、チームとしてさらに切磋琢磨していくのがベストだと思います。
Q:現時点で一番重視している種目は、チームパシュートなのでしょうか?
そうですね。チームパシュートを頑張ることで、自分の中で土台ができてくると思っています。結果的に、それはオムニアムにもマディソンにも絶対つながっていくはずです。やっぱり、パリではメダルを取れなかったので、そこへの想いもあるので。
Q:オリンピックでのメダル獲得には強い意識がある?
負けたくない、という気持ちが大きいです。やっぱり勝つために競技をやっているし、勝つから楽しい。勝てるか勝てないかくらいまできて、ようやく楽しさを感じられると思うんです。やっと世界の舞台で上位争いができるようになって、一桁台の結果を出せるようになってきたところなので、今年はもう一つ上を目指して頑張りたいと思います。
