2025年12月22日、公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)とブリヂストンサイクル株式会社による活動報告会が実施された。
活動報告会のなかでは、ナショナルチームメンバーとして活動してきた山﨑賢人と小原佑太の競技からの引退、およびJCFとブリヂストンサイクル株式会社が協業した新チーム「HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR」の発足とメンバーの発表がされたことは、先日の記事でお伝えした通り。
HPCJCがやってきたことを、他の種目にも
新チーム「HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR」には、兒島直樹や松田祥位、内野艶和、垣田真穂、池田瑞紀ら、トラック中長距離の中心メンバーを含む選手たちが顔を揃えることとなる。
会見の冒頭では、JCF会長・橋本聖子氏が「2018年のHPCJC発足以降、東京オリンピックでの梶原悠未選手のメダル獲得や、世界選手権トラックでの金メダル獲得など、一定の成果をあげてきました。ブリヂストンサイクルとはこれまでもタッグを組んできたが、新たな体制のもとで、競技力向上とともに新たな自転車産業の創出を目指します」とコメント。
JCF副会長兼強化委員長・中野浩一氏からも、「これまでHPCJCが(トラック競技を中心に)やってきたことを、他の自転車競技種目にも広げていくことを目指しています。ただし、長期での挑戦となるため、皆様には長い目で応援いただきたい」と発足の理由について語った。
池田瑞紀「中長距離の選手が集まることはプラスになる」
会見の終盤には、JCFハイパフォーマンスディレクター・三瓶将廣氏より、2026年の活動方針が説明された。チームとしては、JBCF(全日本実業団自転車競技連盟)の国内ツアーや国内のトラック競技大会の出走が中心となり、そのほかにも、所属選手たちはナショナルチームの一員として、国際レースへの出場を目指していくという。初年度はUCIの登録は行わず、国内のクラブチームという扱いになる。
今期まで6期にわたりチームブリヂストンサイクリングの監督を務め、新チームでもチームマネージャーとなる宮崎景涼氏は、「ひとつのメーカーが持つチームができることの限界はあると、個人的には感じていた」と語りつつ、「次のフェーズに行くためにHPCJCのノウハウというのはすごく貴重なものであり、HPCJCとしてもロードレースの経験値をブリヂストンから得られるというのは大きいと思います。お互いの良いところを融合させて、より目標を高めていければと思います」と話してくれた。
なお、新チームに所属する選手のうち、内野艶和、垣田真穂、池田瑞紀、水谷彩奈、岡本美咲の5人は、今シーズンまでチーム楽天Kドリームスに所属。今回、「HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR」の誕生にあたって、短距離はチーム楽天Kドリームス、中長距離は「HPCJC-BRIDGESTONE ANCHOR」という形がより明確化する形となった。
このことについて宮崎氏は「選手にとっても、非常にわかりやすくなると思います。中距離の選手がオリンピックを目指すとなればこのチーム、となっていくはず。眼に見えるステップがあって、素晴らしい環境だと思います」とコメント。池田瑞紀も「中長距離のメンバーが集まることで、いろんなものを吸収できるはず。自分にとっても、ほかの選手にとってもプラスになると思います」とこの新チームがもたらす影響を語った。
重要な一歩目。この形は始まったばかり
三瓶氏は、「アライアンス(協力し合い、連携を構築する)関係にある、ということが大きな意味を持っています。中長距離選手、そして日本の自転車競技者をより強化していくことを考えた時に、両者が一緒になってサポートしていく関係を築けたことは、大きな一歩です」とコメント。
当面は、トラックとロードの二軸での強化を進め、2028年・2032年・そして2036年のオリンピックでのメダル獲得を目指していくこととなる。一方で、「ここから、賛同してもらえるパートナーを増やしていくことが重要です。今回ブリヂストンサイクル様が我々の考えに賛同して加わっていただきましたが、他の企業様にも扉は開いています。まずはトラックとロードの強化とさせていただきますが、トラックとロードの枠組みにも他の企業様に参加していただきたいですし、BMXもMTBも、将来的にはすべての種目が対象となります。JCFもブリヂストンサイクル様も、この動きが広がって、より大きな組織としてやっていくことで、貢献できることがどんどん増えていくはずです」と、将来的にはさらなる規模の拡大、そして種目間の相乗効果を狙う考えを語ってくれた。
トラック競技中長距離メンバーのうち、内野艶和や今村駿介らがチームNIPPOのサポートを受けてヨーロッパでも活動した2025シーズン。その背景にも、中長距離選手の種目を超えた強化という狙いがあったが、今回のプロジェクトでさらに推進された形となる。
未来に向けた大きな一歩。2026シーズン、そしてその先の選手たちの活躍にご注目を。
