2025年12月10日、UCI(国際自転車競技連合)は『2028年ロサンゼルスオリンピック』における予選システムと出場枠を発表した。本記事では発表内容の全容をご紹介する。

Los Angeles 2028 Olympic Games: qualification systems and quotas for cycling events unveiled

QUALIFICATION SYSTEM GAMES OF THE XXXIV OLYMPIAD – LA 28 Union Cycliste Internationale (UCI) CYCLING TRACK

出場可能な選手の大前提

『2028ロサンゼルスオリンピック』トラック種目へ出場できるのは、以下の前提に当てはまる者のみ。

・2028年12月31日までに18歳に達する選手、すなわち、2010年12月31日以前に生まれた選手であること。

・UCI加盟国内競技連盟が発行した有効なUCIライセンスを保有していること。

・UCIトラック・オリンピック予選ランキングの対象となるイベントで、最低10ポイントを獲得していること。

主要3大会で「UCI Track Olympic Ranking」を算出

ロサンゼルスオリンピックの出場枠を獲得するには、各種目ごとに国別*で算出される「UCIトラックオリンピックランキング」で上位に入らなければならない。(以下オリンピックランキング)

※NOC(ナショナルオリンピック委員会)を便宜上、各「国」と記載している。本記事では以降も「各NOC」を「各国」と記載するものとする。

ポイント加算対象となる大会は2026年以降の下記の大会だ。大陸選手権の結果はそのまま反映されず、少し割り引かれて加算される。

対象大会年 計算
大陸選手権 2027・2028 0.75倍
トラックワールドカップ 2027・2028
(各シーズンの上位2つの結果)
1倍
世界選手権 2026・2027 1倍

チームスプリント、チームパシュート、マディソン、オムニアムは選手個人ではなく、国に対してポイントが加算される。スプリントとケイリンは選手個人に対してポイントが加算されるが、1つの国から複数チーム・選手が該当種目で活躍した場合、上位選手にのみポイントが加算される(国別加算の場合は上位1チーム、個人加算の場合は上位2選手まで)。

出場枠は、2028年4月11日時点のオリンピックランキングによって決定される。

ロサンゼルスオリンピック・トラック実施種目

2028ロサンゼルスオリンンピック・トラック競技では、男女ともに以下の6種目が実施される(※パリ2024同様)。

短距離種目 スプリント、ケイリン
チームスプリント
中長距離種目 オムニアム、マディソン
チームパシュート

男女それぞれ95人、合計190人の出場枠が設けられている。各種目において、各国が獲得できる最大出場枠数は以下の通り。

スプリント・ケイリン:2人
オムニアム:1人
マディソン:1チーム(2人)
チームスプリント:1チーム(3人)
チームパシュート:1チーム(4人)

以上6種目を合計して、各国から出場できる最大人数は男女それぞれ8人までとなっている。

種目別、出場枠の分配方法

これらの6種目へ、オリンピックランキングをもとにした出場枠が分配される。少々複雑となってしまうが、それぞれの出場枠獲得レギュレーションは下記の通り。

チームスプリント:8チーム(24人)

長迫吉拓, NAGASAKO Yoshitaku,男子チームスプリント, MENTeam Sprint, 2025世界選手権トラック サンティアゴ, 2025 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

・オリンピックランキング上位8位の国に対し、1チーム分(3人)の出場枠が与えられる。
・本種目への全出場選手数は、8チーム×3人の合計24人。

スプリント・ケイリン:各30人

女子ケイリン, WOMEN’S KEIRIN,2025世界選手権トラック サンティアゴ, 2025 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

・チームスプリントの出場枠を獲得している国を除き、スプリント・ケイリンのオリンピックランキング上位14位の国に対し、出場枠が1枠ずつ与えられ、スプリントとケイリン両方に出場することができる。
・上記のルールに当てはまる場合、スプリントとケイリンに別々の選手をエントリーさせることができる。しかし追加される選手は、他のトラック種目(オムニアムなど)または他の自転車競技(ロードレースなど)にエントリーしている必要がある。
・チームスプリントの出場枠を持つ8国には、スプリント・ケイリン両種目に2選手をエントリーさせる権利が与えられる。
・全体の最大出場枠数はスプリント・ケイリンそれぞれ30人ずつ。

チームパシュート:8チーム(32人)

梶原悠未, KAJIHARA Yumi,内野艶和, UCHINO Tsuyaka,池田瑞紀, IKEDA Mizuki,垣田真穂, KAKITA Maho,女子チームパシュート, WOMEN'S Team Pursuit,2025世界選手権トラック サンティアゴ, 2025 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

・チームパシュートのオリンピックランキング上位8位の国に対し、1チーム分(4人)の出場枠が与えられる。
・本種目への最大出選手数は、8チーム×4人の合計32人。

マディソン:14チーム(28人)

女子マディソン, WOMEN'S Madison,2025世界選手権トラック サンティアゴ, 2025 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

・チームパシュートで枠を獲得した8カ国は自動的にマディソンの出場枠も獲得する。
・チームパシュートで枠を獲得しなかった国のうち、マディソンのオリンピックランキング上位6カ国が出場枠を与えられる。
・本種目への最大出選手数は、14チーム×2人の合計28人。

オムニアム:19人

窪木一茂, KUBOKI Kazushige,男子オムニアム, MEN'S Omnium,2025世界選手権トラック サンティアゴ, 2025 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

・マディソンの出場枠を持っていない国のうち、オムニアムのオリンピックランキング上位13カ国が出場枠を与えられる。
・マディソンに出場する6カ国*がオムニアムへの出場枠を与えられる。
・本種目への最大出場選手数は19人。

※「マディソンに出場する6カ国(six NOCs qualified in the madison)」とあるが、マディソンには最大14カ国に枠が与えられるため、そのうちの「6」がどのように選出されるかは現時点では不明瞭である。

窪木一茂, KUBOKI Kazushige,男子オムニアム, MEN'S Omnium,2025世界選手権トラック サンティアゴ, 2025 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

これらの出場枠決定方法は、いくつかの点で前回大会からの変更が行われている。「どのような変更があったのか」「それがどのような変化をもたらすのか」は別の記事にて詳しく解説しているので、あわせてご覧いただきたい。

『2028年ロサンゼルス五輪』出場枠はこうなる パリ大会との違いを解説【自転車トラック競技】

開催までのタイムライン

2026年秋より、出場枠を決めるための戦いがスタートする。2028年夏まで続く長い戦いを、ぜひ一緒に応援していただきたい。

2026年10月14日〜2028年4月10日 出場枠選考期間
2028年4月11日 最終版「UCIトラックオリンピックランキング 」決定
2028年4月18日 UCIから各国への通知
2028年5月2日 各国の出場枠承認締め切り
2028年5月9日 出場枠再分配用期間
2028年6月26日 「2028ロサンゼルスオリンピック」エントリー締め切り
2028年7月14日〜30日 「2028ロサンゼルスオリンピック」開催期間

 

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