チリ・サンティアゴを舞台に、10月22日より開幕した『2025世界選手権トラック』。
大会最終日に行われた男子スプリントの模様をお伝えする。
前日の準々決勝までを経て、この日まで勝ち進んだのはハリー・ラブレイセン(オランダ)、マシュー・リチャードソン(イギリス)、レイ・ホフマン(オランダ)、ニコラス・ポール(トリニダード・トバゴ)の4人。
日本選手が勝ち上がることはできなかったが、世界最高峰のスピード決戦が繰り広げられた。
準決勝・決勝はいずれも2本先取で実施される。
決勝
今年の頂上決戦には下馬評通りにハリー・ラブレイセン(オランダ)とマシュー・リチャードソン(イギリス)の対戦。予選タイムのトップ2が当たる、順当と言えば順当なカードとなった。
お互いに準決勝の相手を一蹴して迎えた決勝。
8月15日に200mタイムトライアルで8秒857という世界記録を樹立したリチャードソンが遂にラブレイセンを超える時が来るかもしれない、そんな期待が掛かった。しかし2019年から負けなしで常に頂点に君臨してきたラブレイセンの壁は厚かった。
1本目、そして金メダルを掛けた2本目もレースを支配し先着。
今大会4つ目(チームスプリント、ケイリン、1kmタイムトライアル、スプリント)、そして自身として20個目の金メダルという快挙を果たし、今シーズンの“短距離チャンピオン”の栄冠を得た。
3位はニコラス・ポール(トリニダード・トバゴ)をストレートで下したレイ・ホフマン(オーストラリア)。
| 選手名 | チーム | ||
| 1位 | ハリー・ラブレイセン | LAVREYSEN Harrie | オランダ |
| 2位 | マシュー・リチャードソン | RICHARDSON Matthew | イギリス |
| 3位 | レイ・ホフマン | HOFFMAN Leigh | オーストラリア |
| 8位 | 太田海也 | 日本 | |
| 21位 | 中石湊 | 日本 | |
| 予選敗退 | 中野慎詞 | 日本 |
ハリー・ラブレイセン選手 コメント(NOSインタビュー抜粋)
「リチャードソンがスピードキングということは事実だけれど、スプリントで戦うということは別の話。今大会は4つのメダルが獲得できましたが、この種目は格別です。自分の中で最も重要視しているのはスプリント。トラックの上に立ち“自分は誰でも倒せる、負けるわけがない”という確信を持って走ることはとても楽しいことなんです。去年は4種目を制覇することは難しいと思っていましたが、今年は達成することができた、これは普通じゃないと思います」
去年ラブレイセンの野望を打ち砕いた(ケイリンを除く3冠)のは山﨑賢人。再びこの超人を倒すことができるのか。短距離キングの物語はどこまで続くのか。
