トラック競技 女子中長距離のスター選手、ロッテ・コペツキー(ベルギー)。

2025年9月20日、コペッキーは自身のSNSで、10月22日から開催される『2025世界選手権トラック』への出場を見送ることを発表した。

度重なる負傷の経験から、治療に専念

ロッテ・コペツキーは、9月11日に出場していたロードレースで落車に遭い、その後チームは脊椎骨折を発表

自身の「3連覇」が期待されていた『2025世界選手権ロード』(9月21日〜9月28日)にも、怪我の影響から出場を見送っていた。

残る『2025世界選手権トラック』への出場に可能性を向けていたものの、怪我の深刻さや来年以降の完全復帰に向け、治療への専念を決断し、今回自身の「2025年シーズン終了」を発表した。

「焦りから悪化を繰り返してしまった…」

ロッテ・コペツキー コメント(意訳)

アルデシュから1週間以上経ちましたが、残念なことに大きな影響を受けることになりました。

より早い回復に向けて、具合を見てきましたが、どうやら思ったよりも回復に時間がかかっています。

そこで賢明な判断をするために、今シーズンを終了する決断をしました。『2025世界選手権トラック』への出場も、もうありません。

昨年、膝を怪我した時は、とにかく早くトレーニングに復帰したいという焦りから結果的に悪化を繰り返してしまい、最終的には復帰がさらに遅れてしまいました。

なので今回は、怪我をしっかり治すために時間をかけることにしました。幸運なことに歩くことはできますし、家の掃除ぐらいならできます。

最高のサポートを周りから受けられていますし、我慢と経験、そしてたくさんの愛に支えられています。

必ず戻ってきます。

依然「猛者揃い」の女子中長距離

(左から)ジェニファー・バレンテ, ロレナ・ヴィーヴェス, アリー・ウォラストン

スター選手の1人であるロッテ・コペツキーの出場見送りが決定しても、女子中長距離は依然「強者揃い」の混戦が予想される。
2025年の『ツール・ド・フランス』等のグランツールにも出場しているロレナ・ヴィーヴェス(オランダ)や、アリー・ウォラストン(ニュージーランド)、オリンピックのトラック競技でメダルを獲得してきたジェニファー・バレンテ(アメリカ)や、ケイティ・アーチボルド(イギリス)ら。各国の実力者がエントリーされれば、女子中長距離の大混戦は必至だ。

ロード選手は「体力のレベルが違う」

ロード・トラック、二足の草鞋を履く選手が多いイタリアチーム

前述の通り、女子中長距離種目には、ロードのトップカテゴリーでも経験を積んでいる選手が数多くいる。
2025年シーズンをヨーロッパを中心に経験を積んだ垣田真穂は自身のインタビューで、

「単純に体力のレベルが違う。トラックでも体力が無限にあれば、何回でも逃げれますし」

と、コペツキーをはじめロードのトップで活躍する選手の強さを語っていた。

9月28日に閉幕した『2025世界選手権ロード』には、トラック競技との二足の草鞋を履く選手のエントリーは比較的少ないことから、その分『2025世界選手権トラック』へ照準を合わせる選手が多いのかもしれない。

“へこむ毎日”を超えて イタリアで奮闘する垣田真穂の現在地【インタビュー】

「各国代表団」随時発信予定!

開幕まで1ヶ月を切った『2025世界選手権トラック』。10月22日の開幕に向けて、More CADENCEでも各国の注目選手リストを随時発信していく予定だ。

日本選手はもちろん、世界のライバル選手たちにもぜひご注目いただきたい。

ブエルタ閉幕で「2025年グランツール」が終了 活躍したトラック選手は? 来る「ロード・トラック世界選手権」の注目選手をチェック!

【派遣選手発表】今年も狙う、世界一の座『2025世界選手権トラック』/10月22日〜26日(チリ)