オリンピックで金メダルを5つ獲得するなど、トラック中長距離で活躍したイギリスのローラ・ケニーが“20世紀の英国女性スポーツ選手”に選ばれた。
今回の選出は、イギリスの国営ラジオBBC Radio 5 Liveが行う番組「ブレックファスト」の中で、一般投票によって決まったもの。
他の候補者には、サッカーのイングランド代表としてヨーロッパ最優秀選手に輝いた経験をもつルーシー・ブロンズや、ロンドンオリンピックで金メダルを獲得している陸上のジェシカ・エニス=ヒル、自転車と水泳の二刀流で活躍するパラ選手のサラ・ストーリーなど、2000年以降にイギリスのスポーツ界に大きな影響を与えた15名が挙がっていた。
参考:BBC SPORT
ローラ・ケニーが残した功績
幼少期から自転車競技をはじめ、18歳の時にはチームパシュートでヨーロッパを制覇、翌年には『2011世界選手権トラック』で世界一に輝くなど、早くから才能を開花させたローラ・ケニー。
主にチームパシュートやオムニアム、マディソンで『2012ロンドンオリンピック』『2016リオオリンピック』『2020東京オリンピック』の3大会連続、計5つもの金メダルを獲得。世界選手権では7回の優勝、ヨーロッパ選手権では14回の優勝というとてつもない成績を残してきた。
またプライベートでは2016年に、同じくイギリスを代表するトラック短距離選手のジェイソン・ケニー(現・イギリス男子短距離チームコーチ)と結婚。
翌2017年に第1子を出産した後は、わずか6ヶ月で競技に復帰し、母親と選手を兼任するロールモデルとしても多くのアスリートに影響を与えてきた。
2024年に選手を引退した後も賞金の男女平等や、女子自転車競技への投資増加などを目指し、自転車業界に尽力。
現在はスポーツの枠を超えて、産後のサポートや育児支援活動にも取り組んでいる。
(左)ジェイソン・ケニー(右)ローラ・ケニー
選手として、母として、スポーツ界に大きな影響を与えてきたローラ・ケニー。
今回「21世紀の英国女性スポーツ選手」に選ばれたことによって、彼女に憧れるアスリートが増え、さらに自転車競技が盛り上がることを期待したい。