7月31日から4日間にわたって行なわれる『令和7年度全国高等学校総合体育大会(インターハイ)』の自転車競技大会。
More CADENCE編集部は、高校ナンバーワンを決めるこの大会を全日会場にて取材してきた。

各種目の優勝者インタビューはすでにお届けしたが、ここでは会場の雰囲気や、優勝を逃した選手たちの言葉、ジュニア育成に携わるコーチの総括などから、今回の大会を振り返っていく。

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真夏のバンク、気温だけではないアツさ

今年の舞台となったのは、鳥取県・倉吉自転車競技場を中心としたエリア。
競技開始前から、会場には保護者の方を中心に観客が集まっていた。

高校年代の大きな大会としては秋口に「国民スポーツ大会」が控えているが、それは県という単位での出場。つまり、“このメンバー”で走れる大会は、これが最後。

さらに、ある高校の監督に話を聞くと、例年約半分程度の選手がこの大会をもって自転車競技を引退するという。

そんな背景もあってか、独特の緊張感をまといながら、次々にレースが進んでいく。

バンクには、風切り音やタイヤの音だけでなく、コーチからのレース中の指示、同じチームの仲間たちを鼓舞する声、そして保護者の方からの応援が響く。

レース後には、すべてを出し切り倒れ込む選手や、笑顔で健闘を称え合うライバルたちの姿が。

すべてが、この夏の熱量を物語っていた。

バンクの外では……

なお、そんな熱に満ちた会場には、フードトラックや地元商品を販売するブースなども出店。
毎年開催地域が変わる、インターハイならではの風景のひとつとも言えるかもしれない。

ユニークなのは、インターハイオフィシャルグッズが販売されており、主に出場選手たちが買っていること。

実際、会場ではインターハイや選抜のTシャツを着た選手たちが多数。

話を聞くと「記念に買っている」「暑いので着替え用に」という声が多かったが、過去大会のTシャツを着て会場にいる選手からは“全国大会常連感”が漂っている。

敗れた選手が語る大会への想い

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