敗れた選手が語る大会への想い
ここからは、惜しくも優勝を逃すこととなってしまった選手たちの声を紹介していく。
仲間に抱きつき泣きじゃくる選手、呆然と立ち尽くす選手、来年への手応えを掴む選手。
特に、思うような結果を残せず言葉を詰まらせ語る選手の姿に、胸を締め付けられるような瞬間も多々あった。
伊東優来(岐阜第一/2年)
女子ケイリン決勝で4位。すぐ目の前、3位でフィニッシュし表彰台に上がったのは、同じく2年生の玉井雫月(高松工芸)。
わずかに届かなかったあと一歩に、レース後は涙を流す姿が印象的であった。
「うまくレースを運ぶことができたと思うのですが、あと一歩、表彰台に届きませんでした……。来年は、絶対に勝ちたいです」
脇野凌功(岡山工業/3年)
選抜王者として挑んだ速度競走決勝で5位。中盤、連続で先頭を取るも3度目を逃し、そのまま先頭責任を果たせずレースを終えるという悔しい結果となった。
「実力不足です。想定とは違うところで動くことになってしまって……。卒業後は大学進学を予定していますが、その前に国スポがあります。必ずリベンジしたいです」
中谷友紀(奈良北/3年)
『ジャパントラックカップ』でも2つのメダルを獲得した中谷友紀だったが、逃げた井上悠喜(松山学院/2年)を捕えきれず、選抜に続く2位。終盤、単独で追い上げていくスピードには会場がどよめくほどだったが、レース後は悔しさが残る表情を浮かべていた。
「優勝するつもりでいたので、本当に悔しいです。中盤までは想定どおりの展開だったのですが、終盤で逃げた2人を集団として追うことができませんでした。最後、行くしかないと決意を固めて単独で追いかけましたが、最後は届かず悔しいです」
正木颯人(九州学院/1年)
「JOCジュニアオリンピックカップ」U17ケイリンでも優勝した期待の新星は、このインターハイの舞台でもケイリン決勝に進出。最後の直線、差を詰めるも表彰台には惜しくも届かず4位となった。
「決勝まで上がることを目指していたので、目標を達成できたことは嬉しいです。でも、やっぱり決勝まで来たからには、優勝する気でいました。上には上がいるなと感じます。来年また戻ってきます」
杉山陽翔(伊豆総合/2年)
ナショナルチームのお膝元・伊豆にある伊豆総合高校からは3選手が出場。1kmTTで16位となった杉山選手は、来年への意気込みを力強く語った。
「ベストに届かなかったのは悔しいですが、いい経験になりました。来年のインターハイで1分6秒台を出せるよう頑張ります」
なお、杉山選手のお父さんは現役競輪選手である杉山悠也選手(89期)。コーチとして会場入りしており、「インターハイはやっぱり特別な舞台。さらに、1km TTは日本競輪選手養成所の試験の種目でもありますし、競輪の強さにも直結すると思います。息子はまだまだですが、養成所入りを目指して頑張って欲しいです」と話していた。
青沼信我(取手第一/2年)
大会2日目に実施された男子ケイリン準決勝で5位敗退。しかし、翌日の7-12決定戦では、長い距離を先行する積極的なレースで1位(最終7位)を獲得。会心のレースに、レース後は弾けるような笑顔を浮かべていた。
「先行逃げ切りという得意な展開に持ち込めて良かったと思います。最後はもう必死でした。準決勝で負けてしまった時はかなり落ち込みましたが、しっかりと切り替えて7-12決定戦で1着を取れたのは大きな収穫です。来年は優勝を目指します!」