「サーモンも、レンジで鮭になるんです」電子レンジ万能説

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小さなレースも強者揃い

Q:この約2ヶ月間で、どのくらいレースに出場しましたか?

ロードレースだけで10回以上、トラックレースにも3〜4回出場しています。大会がたくさんあるので、めちゃめちゃ走っています!

Q:印象的だったレースは?

5月にフランスで開催されたクラス1のロードレース(Pointe du Raz Ladies Classic)ですね。それはもう、めちゃくちゃ速いレースでした。

コースもグラベルだらけで、マウンテンバイクのレースと間違えてるんじゃないかって思いました(笑)

Q:そのレースは、最終的にどんな結果に?

途中で落車してゴールできなかったです。カーブでみんながブレーキをかける中、自分は飛ばしてしまって転んでしまいました。自分にとってすごくキツい登りを他の人は淡々と登っていて、もう何が起こっているのかと思います。

Q:クラス1のレースでも強者が多くいる印象ですか?

そうですね。知名度がある選手じゃなくても、強い人だらけです。クラス1でなくても、めちゃくちゃペースが速い。強い選手がそこらじゅうに溢れていて、毎レース違うことを学んでいる気がします。日本では学べないことだらけです。

飛び散る水が最高にラッキー

Q:自転車に集中できる良い環境ですね。チーム全体で動くというよりは、内野選手と武者修行のようにレースに出場しているような感じですか?

地域の小さいレースへの出場は個人に任せられているので、そういう場合は個々で動いています。大きいレースだと、チームから6人くらい出場している感じです。

内野艶和のコラムより

Q:8月には日本に戻るかと思います。またHPCJCのメンバーと遠征に行ったら、練習やレースの環境が大きく変わりそうですね。

本当にそう思います。この前は81kmのロードレースに艶和先輩と2人で出場したんですけど、他のチームと違って私たちには水分を補給してくれる人がいなかったんです。

2本のボトルで耐え抜かないといけなくて、途中で止まることもできないから、周回数を数えて給水ペースを考える必要がありました。

しかもレースが夕方16時とか陽の光が強い時間帯で、他の選手はスタッフに冷たい水をかけてもらっていて。別の選手にかけた水が、自分に飛んできてかかった時は最高にハッピーでした。

Q:飛び散る水がラッキーとか(笑)

いや、本当に最高ですから!艶和先輩に「最高やなかったですか?」って聞いたら「本当に」って言ってて、やっぱりそうなんだって。

あらためて感じる、サポートのありがたみ

Q:厳しい環境にいるからこそ、捉え方が変わる部分もあると?

本当に思います。おにぎりを作ってもらったり、色々なことを準備してもらったり、最高にありがたいなと改めて思いました。

池田瑞紀, IKEDA Mizuki, 女子オムニアム, WOMEN'S Omnium, 2025アジア選手権トラック, 2025 ASIAN TRACK CYCLING CHAMPIONSHIPS, Nilai, Malaysia

Q:同じくチームNIPPOの欧州派遣サポートで、イタリアのチーム「BePink-Bongioanni」に所属した垣田真穂選手も、池田選手と同じような環境で練習しているのでしょうか?

真穂ちゃんのチームは、大きいレースに出場することが多いみたいです。普通に世界チャンピンのロッテ・コペツキー選手とかが出場するレースにも出ていて、強豪たちが多い中、凄い経験を積んでいて頑張っていると思います。

とにかく走りきること

Q:スイス滞在も残り約2ヶ月となりました。その間に成し遂げたいことはありますか?

学ぶことだらけですが……チームで走る時は、エースの子をリードアウト(終盤のためにチームのエースをリードして離脱すること)が多いんです。スピードを作っていくっていう役割も、めちゃくちゃ難しいと感じます。

だから、今まで走ってきたレースの経験を活かしてチームのためのアシストも頑張りたいです。
あとは、とにかく走り切ること。こっちでは、レースを完走することすら本当に簡単じゃないです。

Q:スイスでのレースにも慣れつつ経験を積み、次の年に繋げていくつもりですか?

そうですね。8月にはイタリアのフィオレンツォーラでのトラックレースも予定しています。
それで一旦は日本に戻ることになると思いますが、とにかく頑張って、最後まで走り切りたいと思っています。

Q:8月の全日本選手権トラックで待ってますよ!

はい!

『2025全日本選手権トラック』実施要項公開 選手エントリーは7月14日からスタート/8月22日(金)〜25日(月)