アメリカ自転車競技連盟は、2028年ロサンゼルスオリンピックに向けた女子中長距離チームの新ヘッドコーチとして、ポール・マニングを迎えることを発表した。

USA Cycling

名選手にして名コーチ

ポール・マニングは、イギリスの男子チームパシュートのメンバーとして3度(2005、07、08年)世界王者の座に輝いたほか、オリンピックでもシドニー(銅メダル)、アテネ(銀メダル)、北京(金メダル)と3大会連続でメダルを獲得した名選手。

選手引退後はコーチとなり、ロンドンオリンピックと2012年世界選手権女子チームパシュート優勝の功績が称えられ、イギリスのコーチング連盟「UK Coaching」から「ハイパフォーマンスコーチ・オブ・ザ・イヤー」を受賞。4年後のリオオリンピックでもチームを大会2連覇に導くなど、名コーチとしても活躍してきた。

パリではニュージーランドを率いてアメリカと対戦

直近では、ニュージーランドの女子中長距離チームを指揮し、2024パリオリンピック 女子チームパシュートではアメリカとの決勝に進出。0.6秒差届かず、銀メダルという結果となった。わずかに及ばなかった相手に、コーチとして就任する形となる。

2024パリオリンピック 女子チームパシュート

USAサイクリングのトラックディレクターであるクレイグ・グリフィンは、「ポールが加わることを非常に嬉しく思います。彼は世界クラスのコーチであり、アスリートの育成や強固で前向きなチーム文化の構築に精通しています。彼の影響力に期待しています」とコメント。ポール・マニングも、「USAサイクリングと新たな章を共に迎えられることを本当に楽しみにしています。アメリカには素晴らしい才能を持つ選手が揃っています。ライダーたちの目標達成をサポートできることに興奮しています」と語っている。

黄金時代へと導けるか

先述のとおり、パリオリンピックでアメリカは女子チームパシュートで金メダルを獲得。その女子チームパシュートの金獲得までのプロセスは、“分析分野のノーベル賞”といわれる「フランツ・エデルマン賞」を受賞したことでも話題となった。

ポール・マニングの手腕で4年後に向けて黄金時代を築くこととなるのか、注目が集まる。

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