池田解説員による共感力高めのインタビュー
心を整えるべく、小休止を挟んだ池田解説員。満を持して、競技を終えた直後の市田龍生都選手に突撃インタビュー。
一流アスリート同士のなせる業か、共感しながら巧みに会話をリードする(?)池田解説員の言葉とあわせてお楽しみいただきたい。
池田解説員:……どうでしたか?
市田:とにかく必死で踏み続けて、コーナリングもうまくいって、ハンドル投げもできて、「これ(目標の59秒台)あるな!」と思って電光掲示板を見たら……
池田解説員:(残念そうな声で)あぁ〜。
市田:ピットに戻って、(次の選手に記録を抜かれそうで)「やばいな」と思っていたら、(優勝が決定して)周りが「うわーー!」って。
池田解説員:わぁ〜おめでたいです〜。
編集部:もっと掘り下げてください(笑)。
池田解説員:スタートはどうでしたか?
市田:スタートがずっと課題でした。今回も、力み過ぎてちょっと前輪が浮いちゃって。
池田解説員:そうでしたよね!それ、めっちゃ思いました。気合いが入りすぎてたんですかね? 素晴らしい!
市田:浮いた瞬間、「これは(ハンドルを)引けているからだ!」って。
池田解説員:あ、思い込みました? すごい!自己分析力高いですね!
市田:最初の2周半は細かく修正しながら(息切れ)
池田解説員:修正しながら?
市田:ラストは、もう体が動かないので(息切れ)
池田解説員:「動け!」って?
市田:最後はもう、自分の知っている動きするだけでした。
池田解説員:えーーーありがとうございます。こんなキツい時に。
市田:いやいや、僕は他の方と比べると全然苦しい姿を見せられないので……。
池田解説員:嬉しかったですか?
市田:めっちゃ嬉しいですけど……すっごい悔しいです。このアジア選手権に1kmTTで出ることが決まってから、59秒台を出すこと以外考えていなかったので。
何か明確な理由があったのではなく、今の自分にできることをやれたのに、59秒に届かなかった。伸び代です。まだまだ速くなれると思います。
インタビューを終えて
Q:池田解説員、おつかれさまでした。本日のまとめをお願いします。
自分のやれることをできた、力を出しきれたっていうのが、本人にとって一番だと思います。
ただ、それでも目標タイムに届かなかった。そこで、直ぐに「伸び代」だって言えるそのポジティブ思考は、選手として最高だと思いますね。
こうして幕を閉じた、池田解説員による2度目の解説。
ちなみにこの大会、池田解説員は“本業”でも奮闘し、オムニアムとチームパシュートで金メダルを獲得。さらに続くネーションズカップでもエリミネーションで銅メダルを手にした。
来年に向けて、走りと解説のさらなる進化を期待したい。