2025年3月14日よりトルコ・コンヤにて開幕した『2025ネーションズカップ』。
大会2日目に行われた男子ケイリンには現世界チャンピオンの山﨑賢人と中野慎詞が挑み、中野が銅メダルを獲得した。レースの模様をレポートする。

男子ケイリン

今大会は1回戦⇒(敗者復活戦)⇒準決勝⇒決勝の勝ち上がりで、全レースを1日で実施。

日本からは、これがアルカンシェルを着用しての記念すべき初戦となる山﨑賢人と、アジアチャンピオン・中野慎詞が出場。

そのほか、ヨーロッパ選手権 ケイリンで2位に入ったマキシミリアン・ドルンバッハ(ドイツ)、オセアニア選手権のケイリン覇者サム・デイキン(ニュージーランド)ほか全40人が出場した。

【1回戦】
中野がパワーで全てを一蹴、山﨑は最後に差されるが生き返る

1着のみが準決勝進出となる1回戦。日本からはまず中野慎詞が第2組に出走した。中野は最後尾から一気に全員を捲って大差の1着。

力の違いを見せるようなレースで準決勝進出を決めた。

現世界チャンピオンとして出走した山﨑は第3組に出走。
残り1周半で先頭に出ると、そのまま押し切るかと思われたが、最後に後ろから上がってきたムハマド・シャー シャローム(マレーシア)に差されてしまい2着でフィニッシュ。

敗者復活戦回りとなったが、そのレースを1着で勝ち抜けて準決勝へと駒を進めた。

準決勝 中野が再び逃げ切り 山﨑は動けず

3着までが決勝進出となる準決勝。山﨑と中野は以下のメンバーで争う第2組でのレースとなった。

名前 所属
中野慎詞 日本
山﨑賢人 日本
ライアン・ドディク カナダ
ムハマド・シャー シャローム マレーシア
トム・デラシェ フランス
タイマン・ファンルーン オランダ

デラシェ、シャローム、ドデク、中野、タイマン、山﨑でレースは進む。残り3周でぺーサーが退避するまで、レースは動かなかった。

残り3周を切り、4番手の中野が前との車間を空けて後ろの山﨑の動きを伺う。

そして残り2周を前にレースの主導権を握ろうと動き出したのは中野。

一気に加速し先頭に出ると、残り1周半では中野、デラシェ、タイマン、シャローム、ドデク、縦に伸びた隊列の最後方は山﨑となってしまった。

そして中野が快速で駆け抜けていくと、そのまま押し切って1着。山﨑は残り半周で動き出して仕掛けるものの、勝ち上がりの3着に届かず4着でのフィニッシュとなった。

この組から決勝進出を決めたのは中野、シャローム、デラシェの3人。山﨑は7-12位決定戦回りとなった。

準決勝結果PDF

決勝 中野は大外を回され苦しい展開
それでも驚異のスピードで銅メダル獲得

今シーズンは1大会のみのネーションズカップ。その男子ケイリンの決勝に勝ち上がったのは以下のメンバー。

名前 所属
中野慎詞 日本
ムハマド・シャー シャローム マレーシア
トム・デラシェ フランス
セバスチャン・ビジエ フランス
サム・デイキン ニュージーランド
ダニエル・バーバー オーストラリア

スタートの並びはビジエ、デラシェ、中野、バーバー、シャローム、デイキンの順。

残り3周のペーサー退避の時点で先頭のフランス勢が後ろを警戒し、デイキンは早速動き出すと中野の前、3番手に上がってくる。

この動きを中野は容認し、4番手へと位置を下げて残り2周。
中野の後ろからはバルベールが上がってくるが、この動きを中野が防ぐ形で外に出ていく。

すると中野が開けたスペースに内側からシャロームが上がってきて残り1周半。

先頭はデラシェ、後ろにビジエ、シャローム、外側にデイキン、中野と並走する形となって残り1周。

中野が遂に外から仕掛けていくが、前が壁になって前に出ることが出来ない。一方でシャロームが内側を泳ぐように前に上がっていく。

残り半周。中野が大回りで苦しい中、2番手のビジエ、そしてシャロームが外に持ち出して先頭争いをしていく。

最終ストレートに入り、優勝争いはビジエとシャローム。

2人がハンドルを投げてフィニッシュラインを駆け抜けると、僅差で勝負を制したのはシャローム。2着にはビジエ。そして表彰台最後のスポットを得たのは中野。最終ストレートで驚異の加速を見せて大外から3着でフィニッシュした。

7-12位決定戦

山﨑が臨んだ7-12位決定戦。
レースは残り1周半でレイ・ホフマン(オーストラリア)が勢いよく前に出て逃げていくと、少し待って3番手から山﨑が追っていく形になる。

他の選手よりも明らかにスピードが高い2人が前に出ていったが、山﨑は逃げるホフマンを捕らえることはできなかった。

ホフマンが逃げ切って先着、山﨑は2着となり、最終成績を8位とした。

順位 選手名 所属
1位 ムハマド・シャー シャローム Muhammad Shah Firdaus Sahrom マレーシア
2位 セバスチャン・ビジエ Sebastien Vigier フランス
3位 中野慎詞 日本
8位 山﨑賢人 日本

最終結果PDF

選手インタビュー

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