マレーシア・ニライにて2月21日に幕を開けた『アジア選手権トラック2025』。3日目・2月23日に行なわれた男子個人パシュートでは窪木一茂がアジア新記録&日本新記録を樹立し金メダルを獲得した。
男子個人パシュート
4kmを走ってタイムを競う個人パシュート。途中で相手を追い抜けば勝ちとなるため、「個人追い抜き」とも呼ばれる。
参加はアジア各国から13人。日本からはディフェンディングチャンピオンの松田祥位と、スクラッチと合わせてこの日2種目に出場する窪木一茂がスタンバイ。
レースは予選を走り、1位と2位が決勝、3位と4位が3位決定戦へと回る2本制。
これまでのアジア&日本記録は2022世界選手権で松田が出した4分10秒521。
第4組に出走したのは窪木。ホームバックに分かれての追い抜き競走となった。
スタートと同時に前の選手との距離をあっという間に詰めていく窪木。日本記録の更新も期待される走りで、それまでの暫定トップタイムを更新していく。
終盤になり日本記録の更新なるかと思われたが、フィニッシュタイムは4分11秒167。惜しくも記録更新とはならず、決勝への期待が掛かる予選となった。
最終組に出走となった松田。そこまでの暫定トップは窪木のタイム。
レースでは窪木の出した記録には届かないものの、一定のペースで周回を刻んでいき、相手を追い抜き、好タイムで最終周回へと入っていく。
しかしここで松田が突然の失速。明らかにスピードが落ちてしまった松田は大きくタイムを落として4分19秒150。なんと予選5位の結果となり、メダル決定戦に進むことが出来なかった。
決勝 アジア&日本新 窪木一茂が新たな境地へ
決勝は予選トップの窪木と予選2位のモハマド・アルムタイウェイ(UAE)との金メダル争い。
2人が同時スタートすると、窪木が若干速いものの、ほぼ同じペースで最初の1㎞を通過していく。
一定のペースを乱さない窪木に対し、アルムタイウェイは時間の経過とともに遅れていく展開。
3キロ地点を通過した時点で事実上窪木の優勝は決まったものの、会場の注目はアジア記録の更新となった。
記録の更新や否かとギリギリの勝負の中、窪木が最後までペースを落とさずフィニッシュラインを駆け抜けるとタイムは4分8秒669。2022年に松田が作ったアジア記録(4分10秒521)をおよそ2秒更新する好タイムでアジア&日本新を樹立し、見事に金メダルを獲得した。
2位はモハマド・アルムタイウェイ(UAE)、そして3位は銅メダル決定戦制したミン・キョンホ(韓国)。
順位 | 選手名 | 所属 | 決勝タイム | |
1位 | 窪木一茂 | 日本 | 4:08.669 ※アジア新 |
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2位 | モハマド・アルムタイウェイ | Mohammad Almutaiwei | UAE | 4:16.287 |
3位 | ミン・キョンホ | Min Kyeongho | 韓国 | 4:14.596 |