2025年2月21日〜27日にかけてマレーシア・ニライで開催される『2025アジア選手権トラック』。
アジアにおける自転車トラック競技のNo.1を決める大会で、短距離4種目/中長距離7種目が男女それぞれで実施される。

この記事では過去の大会結果を振り返りながら、本大会の注目種目をお伝えしていく。観戦のお供にしていただければ幸いだ。

男子短距離:全種目金メダルも射程圏内

2024年大会はオリンピック前のタイミングということもあり、中野慎詞・太田海也は出場しなかった。
そのような中でもスプリントでは小原佑太が、ケイリンでは山﨑賢人が優勝。チームスプリントは(オリンピックメンバーではなく)小原佑太&山﨑賢人&中石湊のメンバーで出場し、優勝している。

小原佑太, OBARA Yuta, 中石湊, NAKAISHI Minato, 山﨑賢人, YAMASAKI Kento, JPN, 男子チームスプリント, MEN'S Team Sprint, 2024アジア選手権トラック, 2024 ASIAN TRACK CYCLING CHAMPIONSHIPS, New Delhi, India

左から小原、中石、山﨑。今このメンバーで写真を撮ったら3分の2がアフロになる。

なお、日本にとって「アジア最大の壁」といえる相手であったアジズルハスニ・アワン(マレーシア)は出場しない見込み。
十分に、“金メダル総取り”を狙える状況にあるだろう。

中石湊, NAKAISHI Minato, JPN, 男子1kmTT 決勝, MEN'S 1km Time Trial Finals, 2024アジア選手権トラック, 2024 ASIAN TRACK CYCLING CHAMPIONSHIPS, New Delhi, India

ちなみに、中石湊は「好きな種目は1kmTT」と公言している選手。2024年大会は1kmTTで2位だったため、今年はリベンジに燃えているはずだ。

女子短距離:世界女王の独断場か

女子短距離も、2024大会は酒井亜樹、水谷彩奈といった若手メンバーが経験を積む場という意味合いが強かった。
パリオリンピックが終了し、太田りゆと梅川風子が代表を引退。残るは世界女王・佐藤水菜と若手メンバーとなる。

佐藤水菜,女子ケイリン 決勝, Women's Keirin, 2024世界選手権トラック バレラップ, 2024 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

2024世界選手権ケイリンで優勝した佐藤水菜

若手メンバーの中では、競輪選手養成所に在所中の酒井亜樹が出場予定。

仲澤春香, 2025年1月沖縄合宿

また、代表メンバーに新たに加わった仲澤春香も出場。日本の競輪で好成績を出し続けている仲澤が、どのような走りをするか注目したい。

男子中長距離:まさかの「あの種目」だけ連覇してない!

男子中長距離は安定的に出場を続けているため、ほとんどの種目で連覇を続けている。

個人パシュート:3連覇中
エリミネーション:2連覇中
ポイントレース:2連覇中
オムニアム:6連覇中
マディソン:4連覇中
チームパシュート:3連覇中

開催されている7種目のうち、6種目で勝ち続けている日本チームだが、唯一連覇していない種目は、意外なことに「スクラッチ」。

窪木一茂,男子スクラッチ, Men's Scratch Race, 2024世界選手権トラック バレラップ, 2024 UCI CYCLING WORLD CHAMPIONSHIPS TRACK

窪木一茂

スクラッチといえば、2024年世界選手権で窪木一茂が優勝している種目だ。日本にとって“得意な種目”と言って間違いないのだが、意外なことにアジア選手権での近年の優勝は、2022年の橋本英也と、2016年の倉林巧和のみ。あれっ?スクラッチそんなに優勝してなかったんだ……

2025大会ではスクラッチでも優勝し、7種目オール金を期待したいところ。なおオムニアムでは2022年以外橋本英也が優勝を続けており(2022年は今村駿介)、この種目での「7連覇」なるかにもぜひご注目を。

女子中長距離:オムニアム8連覇なるか

女子中長距離も安定した出場が行われており、例年多くの種目で金メダルを獲得している。

中でも注目したいのは、2017年から7連覇中(2021年は新型コロナ禍のため大会中止)のオムニアム。2020年世界選手権で同種目優勝の実力者・梶原悠未が中心となって連覇を続けてきた。

梶原悠未, KAJIHARA Yumi, JPN, 内野艶和, UCHINO Tsuyaka, JPN, 女子オムニアム, WOMEN'S Omnium, 2024トラックネーションズカップ 香港, 2024 UCI TRACK NATIONS CUP Hong Kong

左:内野艶和、右:梶原悠未

本年はどの選手がオムニアムに出場するかはわからないものの、2022年には内野艶和も優勝しており、どちらの選手が出場したとしても優勝に期待ができる。出場選手が誰になるのか、そして8連覇なるか、注目だ。

アジア選手権は2月21日から!

『2025アジア選手権トラック』は2月21日からスタート。

出場種目などの追加情報や、レース結果はMore CADENCEで随時お伝えしていく予定だ。

【2025年】自転車トラック競技主要大会カレンダー(国内・アジア・世界選手権)

主要国際大会 大会結果はこちらからチェックできます。