12月10日(火)、公益財団法人日本自転車競技連盟(JCF)による『JAPAN CYCLING AWARD 2024』表彰式が開催された。

2024年に優秀な成績を収めた選手を中心に、「MVP」「優秀選手賞」「種目別優秀選手賞」「特別賞」「功労賞」「ネクストジェネレーション賞」の総勢24人が表彰された『JAPAN CYCLING AWARD 2024』。

本記事では、受賞選手の紹介とともに、表彰式に出席した選手たちの喜びの声をお届けする。

MVP/優秀選手賞

杉浦佳子(パラサイクリング)

▼2024年の主な成績:
パリパラリンピック ロードレース WC1-3 優勝
パリパラリンピック ロードTT WC1-3 6位
パリパラリンピック トラック 3km個人パシュート WC1-3 5位

Q:MVPを受賞したいまの気持ちをお聞かせください。

このような場に設けていただいたことで、メダルを獲得できたことを、努力してきたことを、日本の皆さんにあらためて伝えられるのかなと思います。
一方で、諸先輩方が作ってくれた道を通って、今日この賞を受賞することができたと思っています。これまでこういった舞台がなかったことでこの賞を受け取っていない方々のことを思うと、恐縮しています。

日本の自転車界が成長していることを皆さんに知っていただき、自分も世界のトップに立ちたい、と思ってくれる方がひとりでも多く現れることを願っております。

Q:来年に向けての目標は?

来年の世界選手権に向けて、調整を開始しているところです。世界中で若手選手が育ってきているなか、この年になっても成長していかないと、とてもじゃないけど敵わない。昨日の自分よりも今日の自分のほうが強くならなくてはならない、と精進していきます。来年の世界選手権で自己ベストを出す、というのがいまの目標です。

優秀選手賞

窪木一茂(トラック)

▼2024年の主な成績:
パリオリンピック オムニアム 6位
UCI 世界選手権 トラック スクラッチ 優勝
全日本自転車競技選手権 トラック 個人パシュート 優勝

Q:優秀選手賞受賞、おめでとうございます。

レースの時よりも緊張しています(笑)。自転車に関わっているたくさん方々のおかげで、挑戦できる場があると思っています。

高校から自転車競技をはじめ、アルカンシェルという頂は奇跡に近いものだと思っていました。20年という時を経て、自分が虹色のジャージをつかみとることができるとは思っていませんでした。窪木がアルカンシェルをとったんだから、僕にもできると思ってもらえたら、日本の競技のレベルも上がり、世界に近づく選手がどんどん現れると思っています。自分自身も、次のオリンピックに向けて、心と体を作り直していきます。

Q:この1年を振り返ってみていかがでしょうか?

世界選手権で複数のメダルを日本チームで獲得したことで、日本は自転車競技が強い、ということをアピールするきっかけになったと思います。実際、トラックにおいて、ほかの強豪国との差は縮まってきていると思います。来年以降もメダル獲得者が増えるように、切磋琢磨していきたいですね。

Q:4年後に向けた目標を聞かせてください。

全種目で出ることが僕の望みですし、チームを引っ張っていきたいという気持ちです。まずは来年の夏くらいに、“ある挑戦”をしたいと思っています。それが楽しみですね。

山﨑賢人(トラック)

▼2024年の主な成績:
全日本自転車競技選手権 トラック ケイリン 優勝
UCI 世界選手権 トラック ケイリン 優勝

Q:いまの率直な思いを聞かせてください。

自転車競技を始めてナショナルチームで活動を始めてから5年、毎日メダルのことを考え、目指してきましたが、結果をなかなか残すことができませんでした。世界選手権で金メダルを獲得し、スタッフの皆さんが喜んでくれている姿を目の前で見られたのが嬉しくて、その気持ちを、今後も世界を目指すうえで持ち続きていきたいと思います。

先日、東レさんの工場にも見学に行き、手作業でひとつひとつ作られているのを実際に自分の目で見たことで、あらためて感謝の気持ちが湧き上がりました。これからも気を引き締めて頑張らないといけないなと思います。

Q:アルカンシェルを獲った、という実感は湧いてきましたか?

いろんな方から声をかけていただき、少しずつ実感が湧いてきています。あのジャージを着ると、なんだか自分が強くなったような気がします。先日の『GRAND CYCLE TOKYO』でも、多くの方に声をかけてもらいました。競技もどんどん広まっていってくれたらいいなと思います。

一方で、チャンピオンという立場にはなりましたが、自分はまだまだだと思っているので、挑戦者の気持ちで頑張ります。

Q:来年以降に向けての抱負を聞かせてください。

次のオリンピック、ということはまだイメージできないですが、まずは来年の世界選手権に向けて頑張っていきます。

佐藤水菜(トラック)

▼2024年の主な成績:
UCI 世界選手権 トラック ケイリン 優勝
UCI 世界選手権 トラック スプリント 3位

Q:受賞、おめでとうございます。

世界選手権で結果を残すことができて、こういった賞をいただけて嬉しく思います。今後も、今年を上回る活躍ができるように頑張っていきます。

Q:1年を振り返ってみていかがですか?

自分の競技人生と向き合った1年だったなと思いますが、悔しさのほうが大きいですね。いろいろなことを経験してきたので、一歩大人になれたなと感じています。

Q:来年に向けては?

今年は全日本選手権で中長距離種目に出場しました。今週末にはクリテリウムレースも控えていますし、来年はいろんなことを経験できる機会を増やしていけたらなと思います。短距離も、チームスプリントが今後新体制で始まっていきますし、500mTTから1kmTTの変更という点でもコーチから期待をかけていただいています。しっかりと頑張りたいです。

競技のほかにも、ガールズケイリンでまだ出られていないG1レースもあります。まだ持っていないG1タイトルを狙っていきます。

トラックでは4人が受賞 「種目別優秀選手賞」

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