2024年10月16日から10月20日の期間、デンマーク・バレラップで開催されている『2024世界選手権トラック』。
日本からもアルカンシェルを含むメダル獲得者が相次いでいる今大会では、表彰式で選手にあるものが贈られている。
「鳥」だ……。
More CADENCE取材班はこの鳥について、デンマーク自転車競技連盟プレスオフィサーからの情報を入手。鳥の正体をお届けする。
デンマークの国鳥
現地情報によると、表彰式で贈られている鳥(のぬいぐるみ)は「白鳥」であることがわかった。
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白鳥は、1984年からデンマークの国鳥として定められている。白鳥はデンマークの在来種であり、デンマークが生んだ世界三大童話作家、ハンス・クリスチャン・アンデルセンの「みにくいアヒルの子」にも登場し、デンマーク国内でも人気となった鳥だ。
『2024世界選手権トラック』でメダリストに白鳥のぬいぐるみが贈られるのは、開催国デンマークからの祝福の意味が込められているそうだ。
白鳥に隠されたもう1つの意味
「デンマークからの祝福」という意味が込められた、表彰式での白鳥のぬいぐるみの授与。しかしこの白鳥には「トラック競技場生まれの白鳥への敬意」という、もう1つのメッセージが込められているそうだ。
「トラック競技場生まれの白鳥」とは何のことなのか、デンマーク自転車競技連盟によるコメントから紐解いていこう。
デンマーク自転車競技連盟 プレスオフィサーによるコメント(意訳)
大会をご覧になられている方の中には、「表彰式でメダリストに贈られている『鳥』には何の意味があるのだろう」と疑問を持つ方もいらっしゃいました。
鳥の正体は、世界的にも有名な(ハンス・クリスチャン)アンデルセン童話にも登場する鳥、そしてデンマークの国鳥でもある白鳥です。「みにくいアヒルの子」も数ある白鳥のお話のなかの1つです。
ですが『2024世界選手権トラック』における白鳥には、2つの意味が込められています。
1つは『デンマークの国鳥からメダリストへの祝福』という意味。そしてもう1つ、『トラック競技場生まれの白鳥(Svanen fra banen)』というニックネームを持つデンマーク選手、ミカエル・モルコフのキャリアを讃えるという意味が秘められているのです。
モルコフは2024シーズンをもって現役選手を引退し、デンマークの男子ロードチームのヘッドコーチに就任します。我々デンマーク自転車競技連盟は白鳥とともに、そんな素晴らしいスポーツマンであるモルコフを讃えます。
ちなみに白鳥のぬいぐるみが巻いているレインボー柄のスカーフは、デンマークのボランティアの方々が縫ってくれました。
モルコフ 国鳥の待つ表彰台へ
デンマーク自転車競技連盟から直々に敬意と感謝が贈られているモルコフ。
『パリ2024オリンピック』男子マディソンで自身4枚目のメダルを獲得したベテラン選手は、『2024世界選手権トラック』最終日(現地10月20日)の男子マディソンに出場予定。
自国ファンの前で、メダルと白鳥を手にすることができるのか。経験豊富なモルコフの走りに要注目だ。
目が離せない世界選手権
以上本記事では、表彰式で授与されるぬいぐるみについてご紹介してきた。
小さなことでも注目してみると何か発見があるかもしれない。
ロサンゼルスに向けた最初の世界選手権でもあり、オリンピックイヤーの節目となる今大会。1つ1つのレースにストーリーがある。ぜひ最後までご注目いただきたい。