2024年8月21〜25日に中国・洛陽で開催された『2024ジュニア世界選手権トラック』。
日本からも10選手が出場した本大会において、男子1kmTTでオーストラリアのテイト・ライアンが「59秒875」という世界記録を樹立した。

ついに破られた「1分」の壁

従来のジュニア記録は、トーマス・コーニッシュ(オーストラリア)が2018年の同大会(スイス・エーグル)で記録した「1分00秒498」。
テイト・ライアンは、6年間破られていなかった同国の先達の記録を約0.7秒更新し、ついに「1分」の壁を破る形となった。

参照:UCI Men Juniors World Records

エリートの記録は「55秒433」だが……

エリートカテゴリーの世界記録は、2023年にジェフリー・ホーフラント(オランダ)が打ち立てた「55秒433」。
大きな差があるようにみえるが、この記録は世界記録に挑戦するために、標高1800mの高地にあるベロドロームで走った際の記録となる。

そのジェフリー・ホーフラントは2023年にスコットランド・グラスゴーで行なわれた「2023世界選手権」でも1kmTTで優勝しており、その際のタイムは「58秒222」。
会場も異なるため単純な比較はできないが、今回テイト・ライアンが出した「59秒875」は6位に値するタイム。エリートカテゴリーでも、十分に通用するスピードの持ち主であることがわかる。

参照:UCI Men Elite World Records
2023世界選手権 1kmTTリザルト(PDF)

オーストラリアの新星、テイト・ライアンとは

2006年アデレード生まれ、14歳から競技をはじめたテイト・ライアン。『2023ジュニア世界選手権トラック』では1kmTTで優勝、スプリントで2位という成績を残した。
『2024ジュニア世界選手権トラック』ではこの世界記録を樹立した1kmTTのほかスプリントでも金メダルを獲得。ジュニアカテゴリーでは圧倒的な強さを見せている。

テイト・ライアン(Commonwealth Games Australia)

オーストラリア短距離界では、パリオリンピックで3つのメダルを獲得したトップ選手マシュー・リチャードソンのイギリス移籍が発表されたばかり。
4年後のロスオリンピックに向けて、テイト・ライアンが新たなエースとなるのか。今後も注目だ。

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