パリ2024オリンピック自転車トラック競技の最終日となる8月11日。女子オムニアムが行われ、日本から梶原悠未が出場した。東京オリンピック同種目銀メダリストが挑んだ「リベンジマッチ」の行方をお届けする。
オムニアム
4種目を行いその総合成績を競う、オムニアム。
レースに勝つための「スピード」「持久力」はもちろん、展開を読む「頭脳」も必要な総合力が試される種目。
この種目には世界各国から22人が出場。日本からは梶原悠未がエントリーし、東京大会で獲得できなかった金メダル獲得を目指す。
スクラッチ 梶原は前に出られず
1種目はスクラッチ。トラック30周を走り着順を競う。
一度開催国フランスのアタックがあったが、すぐに集団に捕まる。勝負は最後のスプリント。残り10周を切って集団内での位置取りが始まるが、なかなか前に出られない日本の梶原。最後方まで押し出されるような形で最終周回に入ると、やはり前に出られずに16位でフィニッシュ。
1位は東京大会のチャンピオン、ジェニファー・バレンテ(アメリカ)、2位はマギー・コールズリスター(カナダ)、3位にジョージア・バーカー(オーストラリア)。
順位 | 選手名 | 国 | |
1位 | ジェニファー・バレンテ | VALENTE Jennifer | アメリカ |
2位 | マギー・コールズリスター | COLES-LYSTER Maggie | カナダ |
3位 | ジョージア・バーカー | BAKER Georgia | オーストラリア |
16位 | 梶原悠未 | 日本 |
テンポレース バレンテがリードを広げる
2種目目はテンポレース。毎周回フィニッシュラインを1着で通過した選手だけ1ポイントを得ることができる。さらに、集団を1周追い抜いた場合(ラップした場合)は20ポイントが加算され最終的な合計ポイントで順位が決定する。
レースはララ・ギレスピー(アイルランド)がオープニングアタックをして早々を集団を1周追い抜く「ラップ」を成功させる。その後はバレンテ、ダリア・ピクリク(ポーランド)、バーカーの3人がアタックして、逃げ集団を形成。3人で全てのポイントを獲得してレースが終わった。梶原はポイントを獲得できず、この種目は17位となった。
順位 | 選手名 | 所属 | |
1位 | ララ・ギレスピー | GILLESPIE Lara | アイルランド |
2位 | ジェニファー・バレンテ | VALENTE Jennifer | アメリカ |
3位 | ダリア・ピクリク | PIKULIK Daria | ポーランド |
17位 | 梶原悠未 | 日本 |
エリミネーション まさかの序盤
3種目目はエリミネーション。2周に1回最後尾の選手が除外されるサバイバルレース。
最終種目を前に挽回を図りたい日本の梶原。しかしこの種目がスタートして間もなく梶原は除外されてしまう。1人が除外されての2回目の除外周回、集団内の後方にいた梶原だったが、外側の選手たちが除外を回避するために加速したために最後尾となってしまった。梶原はこの種目を21位とした。
1位はバレンテ。バーカーと総合成績上位を争う中で、相手を更に突き放す結果を得て、最終種目に暫定トップで臨む。
順位 | 選手名 | 所属 | |
1位 | ジェニファー・バレンテ | VALENTE Jennifer | アメリカ |
2位 | ジョージア・バーカー | BAKER Georgia | オーストラリア |
3位 | マギー・コールズリスター | COLES-LYSTER Maggie | カナダ |
21位 | 梶原悠未 | 日本 |
ポイントレース
最後の種目はポイントレース。それまで3種目で獲得した総合ポイントを持ち点としてスタートし、10周ごとのスプリント周回で、1着に5ポイント、2着に3ポイント、3着に2ポイント、4着に1ポイントが与えられる。レースで得たポイントが持ち点に加算されていき、最終的に総合ポイントが最も高かった選手が勝利となる。レースは80周回で争われる。
ここまでトップはバレンテ(118ポイント)、2位はバーカー(108ポイント)、続いてマギー・コールズリスター(96ポイント)、梶原は20位(19ポイント)でスタートとなった。
レースはアタック合戦となり、ポイントが大きく変動していく。その中で暫定トップのバレンテがレース中盤にラップして+20を得ると金メダル争いは事実上終了してしまい、銀メダル、銅メダル争いが激化していく。
何度もアタックし、順位を上げたのはアリー・ウォラストン(ニュージーランド:最終種目スタート時は8位)とピクリク(ポーランド:最終種目スタート時は7位)。どちらも2回のラップを成功させて+40ポイントを獲得し、一気にメダル圏内に上がり、ピクリクが銀メダル、ウォラストンが銅メダルを獲得する結果となった。
バレンテが2大会連続2度目の金メダル、ピクリクが初の銀メダル、ウォラストンも自身初となる銅メダルを獲得した。
梶原も中盤に単独のアタックを成功させて+20ポイントを獲得したが、最終成績は17位(44ポイント)としてオリンピックを終えた。
順位 | 選手名 | 所属 | ポイント | |
1位 | ジェニファー・バレンテ | VALENTE Jennifer | アメリカ | 144 |
2位 | ダリア・ピクリク | PIKULIK Daria | ポーランド | 131 |
3位 | アリー・ウォラストン | WOLLASTON Ally | ニュージーランド | 125 |
17位 | 梶原悠未 | 日本 | 44 |