2024年8月10日、パリオリンピックの自転車トラック競技種目の6日目には前日に引き続き女子スプリントが開催。2回戦までを勝ち上がった佐藤水菜が、3回戦、強豪のエマ・ヒンツェ(ドイツ)に挑んだ。佐藤のパリ2024大会は最終日まで続いたのか。レースのレポートをお届けする。

スプリント

予選は200mFTT(助走なしの200mタイム測定)。

予選のタイムをもとに本戦(対戦ラウンド)の組み合わせが決定し、勝ち上がり戦が行われる。

本戦はトラック3周、1対1で先着を争う。どんなに強靭な選手でも3周を全部フルパワーで走ることはできないので、どのタイミングで前に出るのかの駆け引き、そして一気にハイスピードになる高速バトルが見どころの種目。

3回戦 最強スプリンターとの勝負

3回戦までは1本勝負となる。佐藤の相手は2020世界選手権短距離3冠の強豪エマ・ヒンツェ(ドイツ)。この2人は2024ネーションズカップ第1戦のスプリント決勝でも対決しており、3本目までもつれ込むレースの末にヒンツェに軍配が上がっている過去がある。

レースは佐藤が後ろから攻める形でスタートすると、位置を変えることなく1周が終わる。2周目に入ると、佐藤がバンクの上部でスピードを付けていく。合わせて前でスピードを上げるヒンツェ。しかし最終周回前の4コーナーでヒンツェが傾斜を利用して加速すると、後方の佐藤と大きな差が出来てしまう。

この差を逃さなかったヒンツェ。一気に加速するとレースの主導権を握って逃げ体制へ。佐藤はこの逃げを追う形になったが、できた「差」はあまりにも大きく、最後には並びかけるところまで詰めたが届かず。

ヒンツェが準々決勝へ勝ち上がりを決めた。佐藤は負ければ最後となる敗者復活戦へと回る。

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3回戦 敗者復活戦

3人1組、勝者のみが復活を果たすことが出来る3回戦の敗者復活戦。佐藤、ケルシー・ミシェル(カナダ)、クリスティーナ・クロナン(オーストラリア)との対戦となった。

ジェイソン・ニブレット短距離ヘッドコーチに力強く押されて先頭からのスタートとなった佐藤。後ろにクロナン、ミシェルと続く。

最終周回前には佐藤は先頭だったが、最後尾からミシェルが加速していくと、先頭はミシェルへ。3人がスプリント体制へと入っていく中、逃げるミシェルに2車身ほど空けて佐藤、クロナンが続く。

佐藤がミシェルに向かって追走していくが、なかなか空けた距離が埋まっていかずに最終ストレートへ。最後はミシェルに追いつけず佐藤は2着。準々決勝に復活することはできず、佐藤のパリ2024大会の幕が閉じる結果となった。

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選手コメント

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