長迫吉拓
Q:1回戦は悔しい1本でした。
「やってしまった」という感じです。日本でのオリンピックのシュミレーションの時にしていた失敗でもありました。今回は2走の(太田)海也、3走の小原がなんとか繋いでくれてコンマ2秒差まで抑えてくれたので「惜しかったな」と思うのですが、ほんの少し早く出てゲートに引っかかってしまったことが悔やまれます。
Q:2回のやり直しの影響はありましたか?
確実にあったと思います。1本目のスタートはかなり良いスタートが切れたと思うので、リズムが狂ったところはありました。
Q:3レースを終え、出し切れた感じはありますか?
昨日(予選)の走りはすごく満足いくもので、自分のベストタイムを大幅に更新することができました。自分の、そしてチームの現状を初めて理解できて「明日は41秒台を出してメダル決定戦にいける」という想いで、今日来ました。
だから……かなり悔しいです。最後の1本の前、海也と小原が(1回戦の)失敗の後でも「次は日本記録を目指そう」と笑顔で言ってくれました。でも自分としてはなかなか吹っ切ることができず、スタートに立った時も「信じられない、夢であってほしい」という思いがありました。
それでもこれが僕の最後のオリンピックだから、全力で走ろうと思って、自己ベストに近いタイムを出すことができました。悔しいですけれど、全力を出すことはできたと思います。
Q:ここまでの3年間、どのような日々でしたか?
個人種目であるBMXから、1人ではできないチームスプリントにやってきて、チームに押し上げてもらったと感じます。チーム種目ができて本当によかったです。メダルが全てではありますが、3年間このチームと一緒にやれて、メダルに近いものが得られたんじゃないかなと思います。ここまでメダルを、そして僕を信じてくれてありがとうと2人に伝えたいです。
太田海也
Q:メダルに届かない結果となりましたが、振り返っていかがですか?
自分たちの100%を出し切れなかった悔しさがあります。そして4年後のロサンゼルスへ、すごくすごく良い一歩を踏み出した日になったとも思います。
Q:1回戦でやり直しが2回あり、リズムが崩れたようなところもあったかと思います。
どのチームでもリスタートになると、動揺したり、慌てたりするのは当たり前のことです。ただ僕個人としては動揺することなく「これがオリンピックか・・」と状況を楽しんでいました。でも第1走への負担は大きいと思いますし、1本は日本チームのフライングでした。フライングを取らない練習をもっと重ね、自信をつけて本番に挑むことが大事なのかなと思いました。
Q:1回戦のあと、何か話し合いはされましたか?
走った後は話し合いはなくて、5-6位決定戦の前に「日本新を出しにいこう」とチーム内で話しました。
Q:5-6位決定戦は日本記録を出すことができました。
100%が出せていない中での2本目でした。(長迫)吉拓さんがもっと速く走れることを練習で見てきましたし、自分も小原さんももっと速く走れたと思います。41秒台に入るポテンシャルがある中で、本番でこういう結果というのは、日本チームの弱さでもあります。そういう部分を見つめ直して戦っていく必要があると感じました。
Q:オランダは40秒台を出しました。1秒ほどの差ができましたが、その点に関しては?
1秒以上違うということですが「たった1秒だな!」と思っています。4年後に1秒縮めて、日本チームがこの記録を塗り替えるくらいのイメージを、今は持っています。
Q:個人種目にどのように繋げていきますか?
今日しっかり落ち込んで、明日は吉拓さんの想いも背負って、日本新を出してスプリント予選を通過したいと思います。
今まで一緒に戦ってきて、吉拓さんが本当に「本番に強い男」ということを何度も見てきました。最後にこんなハプニングで本番で力が出せなくて、それがオリンピックの舞台ということなのかなとも思います。でも吉拓さんの本番に向かっていく強さは自分の身に染み込んでいるので、そういうところを明日からさらに自分の中に落とし込んでレースをしていきたいと思います。
小原佑太
Q:1回戦を振り返っていかがでしょう?
フライング2回があって、自分たちのペースを乱される形になりました。とはいえ結果は仕方がないと思ってましたし、2本目でしっかり自分たちの記録を塗り替えることができたので、よかったと思っています。
メダルを目標に走ってきましたし、予選の感触でもメダル争いにいけると感じていました。逆にそれによって浮き足立ってしまったところもあるのかもしれません。
でも次のオリンピックや、後日控えている世界選手権……メンバーは決まっていませんが、もし走れるのなら、今回の走りで自分たちを世界にアピールすることができたと思います。まずは良かったと思います。
Q:1回戦の悔しさがあって、切り替えも難しかったのではないかと思います。
決勝は「自分達の記録を、願わくば41秒台を」とすぐに切り替えることができました。メンタルの面では気にしていませんでした。
Q:5-6位決定戦では最後にドイツとの差を広げることができました。
昨日(予選)の自分の走りがあまり良くなかったので、そこを反省し、しっかり走ることができました。スタートや乗車フォーム、力の入れ方を工夫して走って、少し離れる場面はありましたが、うまく自分の番で切り替えることができたと思います。
Q:5位という結果は、北京以降としては最高順位です。
チームスプリントを世界に向けてアピールすることができない状況が、アテネ以降続いていました。「海外選手に勝てない」というメンタル的なところはこのメンバーで打ち消すことができたと思います。次の世代に向け、自分たちの成績、成功、失敗、すべて伝えることができれば、次のオリンピックではもっと上の順位を狙えるはずです。次に繋げることはできたと思います。
Q:切磋琢磨してきた仲間と挑んだオリンピックのチームスプリント。改めていかがでしたか?
この3人にメンバーが固定してから2年強になります。メダルが目標でしたが、この2年間にはメダル以上の価値があったと思うし、この3人だったからここに来ることができました。このメンバーが誇りですし、すごく尊敬できる3人で走ることができた。良い旅になったと思います。
Q:次は個人種目のスプリントが控えています。
今日の結果はすべて忘れて、またイチから頑張りたいと思います。
次のレース予定
トラック競技3日目は8月7日、日本時間19:45からスタート。男子スプリント、女子ケイリン、女子チームパシュート、男子チームパシュートが行われる。
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