パリオリンピック直前合宿をフランスのルーベで行っている自転車トラック競技日本代表選手たち。合宿地にて、佐藤水菜選手にオリンピック直前の「今の声」を聞かせていただいた。

いよいよ初のオリンピックへ

MAKE it HAPPEN 2024, 佐藤水菜

Q:いよいよオリンピックが始まります。

練習の強度は、伊豆から比べてだいぶ落とされています。練習の質を求めるトレーニングになっているのですが、だからといって量も減ってしまうと自分としては物足りない。トータルで見た時、レースでのパワーもなくなってしまうと思って、コーチに言って量を増やしてもらっています。

Q:では、気持ち的にはハイなところにありますか?

というより、練習が足りなくて困ってる感じ(笑)もうちょっとやりたいって感じています。

パブリックビューイングが……

Q:日本からさまざまな形で応援のメッセージが届いているかと思います。

あまり気にしていなかったんですが、今回スプリントの準決勝に勝ち上がらないと、パブリックビューイングが……

※地元・茅ヶ崎市にてトラック競技最終日(8月11日)に応援パブリックビューインが予定されているが、この日行われるのは女子スプリントの準決勝以降のラウンド

知らなかったんですよね、この間幼稚園の先生からメッセージがきて初めて知ったんです。そこが不安です(笑)

MAKE it HAPPEN 2024, 佐藤水菜

Q:プレッシャーになるか、力になるかというと、どちらですか?

前回茅ヶ崎でパブリックビューイングをしていただいた時(2024ネーションズカップ第1戦)は、今見てもらっているとわかっていたから「絶対に勝たなきゃ」と力になりました。スプリントも2位で、ケイリンも優勝。自分は見えない力が働くタイプなので、すごく力になります。

Q:合宿も終盤ですが、調子の面はいかがですか?

自分でお米を持ち込むなどはしているのですが、私は割と食べなきゃいけないタイプなので、小麦の多い食事で引き締まっちゃってる感じがあります。まだ最終調整に入るには早いので、もうちょっとだけ食べて、もうちょっと練習の強度を上げて、もっともっと質を求めていきたいと思います。

Q:ここまでやるべきことはやれましたか?

伊豆での生活は順調で、自己ベストも更新しました。今も悪くはないけれど、良くもない。目指すところにはまだまだ遠い感じです。もっともっと、あと3週間でやれることをやり切りたいです。

自己ベストは「やるべきこと」

佐藤水菜, SATO Mina, JPN, 女子スプリント 決勝, WOMEN'S Sprint Final for Gold, 2024ジャパントラックカップ II, 伊豆ベロドローム, 2024 Japan Track Cup II, Izu Velodrome, Japan

Q:代表発表の時に「自分のやるべきことは、自己ベストを出すこと」とお話しされていました。

自転車やスキンスーツなど、技術面がとても向上しています。だからこそ「出さないといけない」というのは大前提。自分のベースの力に機材の力が加わるから、必然的に上回るんです。だから日本記録更新は最低限だと思うし、そうしないと勝てない。

それに今回のオリンピックで女子の世界記録が出ると思っているので、自分も10秒2、3を狙わないと勝ち上がれないし、力の面でも差が生まれてしまうと思っています。上には上がいてさらに上がいる。「日本記録は当たり前」として、上しか見てないです。

Q:当日をどのような心境で迎えたいですか?

1本目に自分のペースを合わせにくいタイプなんですが、そんなことを言っていられない日程になっています。とにかく1本1本全力以上の力を出すこと、とにかく勝ち上がることを意識して、自己ベスト以上のレースをしたいです。

楽しんで走る

MAKE it HAPPEN 2024, 佐藤水菜

Q:最高のパフォーマンスを出すために、何が重要ですか?

練習の量も増やしているので、そこで自分が「人よりやってきた」と思えることも重要。どれだけ自信を持って「やってきた」と言えるのかが大事になってくると思うので、もっと量を増やして自分に対して後悔がないようにやり切りたいです。

Q:パリで成し遂げたいことを教えてください。

笑顔で走り切ることで結果が結びつくタイプです。自分も楽しんで、お客さんにも楽しんでもらえるような迫力あるレースをして、良い結果を残せるように頑張りたいです。

Q:ファンのみなさまにメッセージをお願いします。

毎レース、すごく強い、印象に残るレースができるよう、ひとつひとつ勝ち上がっていきたいと思います。応援よろしくお願いします!

佐藤水菜, 2024パリオリンピック 自転車トラック競技日本代表候補選手発表記者会見