パリオリンピックは終盤戦。現地8日、日本時間9日、この日に実施される自転車トラック競技の種目は以下の通り。

・男子オムニアム
・女子ケイリン 準々決勝〜決勝
・男子スプリント 準々決勝・5-8位決定戦

の3種目が実施される。見どころを紹介する。

男子オムニアム

日本時間:8月9日 00:00〜
日本人出場予定選手:窪木一茂

見どころ⇒①スクラッチでの順位 ②窪木のダッシュ力

1日でスクラッチ、テンポレース、エリミネーション、ポイントレースの4種目を実施し、その総合点で競うオムニアム。
このタフな種目に登場するのは、窪木一茂。

総合力が問われるオムニアムだが、銀メダルを獲得した今年のネーションズカップ第3戦同様、まずは最初のスクラッチで好スタートを決めたいところ。何を隠そう、窪木は日本が誇る“Mr.スクラッチ”なのだから(※2022、23年の世界選手権で銀メダルを獲得している)。

スクラッチでロケットスタートを決められれば、その後のレースに対して有利に進められるため、得意のスクラッチでの好成績が見どころとなる。また、プロ競輪選手でもある窪木は出場選手内でも1,2を争うダッシュ力を持つ。4種目を通して大事な場面で猛ダッシュをする窪木の姿に期待が掛かる。

ネーションズカップでも鎬を削ったイーサン・ハイター(イギリス)、アーロン・ゲイト(ニュージーランド)ら強力なライバルを打ち破り、メダルに期待だ。

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女子ケイリン 準々決勝〜決勝

日本時間:8月9日 00:18〜
日本人出場選手:太田りゆ、佐藤水菜

最高峰の舞台へと駒を進めた太田りゆ、佐藤水菜の2人が頂に挑む。

太田が走る2組目には今大会チームスプリントで金メダルを獲得したエマ・フィヌカン(イギリス)やカナダのケルシー・ミシェルら、佐藤が出走する3組目には短距離個人種目における表彰台の常連と言えるエマ・ヒンツェ(ドイツ)、チームスプリント金メダルメンバーのケイティー・マーシャン(イギリス)らが強力なライバルとなる。

【パリ五輪】佐藤水菜、太田りゆ共に2回戦へ 女子ケイリン1回戦〜敗者復活戦/自転車トラック

レース時間

8月9日 00:18〜 準々決勝 4着まで勝ち上がり
01:15〜 準決勝 3着まで勝ち上がり
02:01〜 7-12位順位決定戦
02:11〜 決勝

見どころ⇒①開始の並び順 ②勝ち上がり方

見どころの1つはレース前に行われるくじ引きの結果。その結果によってペーサー退避前の隊列での位置が決まる。選手によって位置の得意不得意はあるが、出来れば1番以外の2番か3番で位置を取りたい。

1番前はもちろん先頭で風の抵抗を受け、仕掛けてくる相手の対応に迫られる。逆に後ろは前に上がらないと勝負にならないため、動いていかなければならない。2~4番の位置はそれらの動きを確認しながら自分で仕掛けることも出来れば、相手の動きに合わせ易い位置となる。

くじ引きによって走り易さが分かれるため、並びに注目。

もう1つは勝ち上がり方。前日の1回戦とは異なり、ここからは負ければ敗退のレース。上位4着(準々決勝)、上位3着(準決勝)になれば勝ち上がれるが、どういったレースができるかが見どころとなる。ここまで来れば全選手が強豪。その中で1レース1レース出し切り、内容の良い勝ち上がり方ができれば決勝へと繋がっていく。

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男子スプリント 準々決勝・5-8位決定戦

日本時間:8月9日 01:01〜
日本人出場選手:太田海也、小原佑太

昨日のレースでは、敗者復活戦に回りながらも見事にこの舞台まで勝ち上がってきた太田海也、小原佑太の2人が出場。

2組目で小原が対戦するのは、予選で9秒091という世界記録を更新*するタイムを叩き出したマシュー・リチャードソン(オーストラリア)。1・2回戦でも相手を寄せ付けぬ圧巻の走りを披露している。

※直後にハリー・ラブレイセン(オランダ)が9秒088を叩き出しさらに更新

4組目では太田がジャック・カーリン(イギリス)と対戦。東京大会の銅メダリストであり、今大会でもチームスプリントで銀メダリスト獲得に貢献している強豪だ。

【パリ五輪】太田&小原が揃って8強進出 男子スプリント 予選〜3回戦敗者復活戦/自転車トラック

レース時間

8月9日 01:01〜 準々決勝 8人⇒4人
03:04〜 5-8位順位決定戦
8月9日 21:41〜 準決勝 4人⇒2人
8月10日 01:00〜 決勝・3位決定戦

見どころ⇒①2本先取の駆け引き ②とにかく勝利を

ここからのステージは、1戦ごとに最大3本が実施される2本先取ルール。1本負けても、2本勝てば次へ駒を進められる。スプリント力が格上の相手でも体力で上回っていれば、3本中1本をわざと取らせ、残りの2本で消耗した相手を倒す、という作戦も駆使できる。準決勝以降はまた翌日に実施されることで、そうした作戦も実践しやすいだろう。

しかしここからは、負ければ敗退(5-8位順位決定戦へ)の一発勝負。敗者復活戦も考慮に入れてマネジメントできた昨日とは異なり、1つの対戦にすべてを出し切ることが求められる。タフな日程ではあるが、万全の体制で、会心の勝利を期待したい。

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