「史上初」は何のため?パリが目指す大会像

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「気候・環境へ配慮した大会」

「広く開かれた大会」の他に、『パリ2024オリンピック』で大きく掲げられているのが、「気候・環境へ配慮した大会」の実施。

オリンピック公式サイトでも、「これほどまでに気候・環境に配慮した大会は史上初」と言及しているほど。具体的にどんな分野・対策で気候・環境に配慮しているのだろうか。

代表的な具体例をいくつかご紹介する。

既存のスタジアムを最大限利用

2022 Track World Championships, Saint-Quentin-en-Yvelines, France

「気候・環境へ配慮した」パリ大会で大きくアピールされているのが、できる限り既存もしくは仮設の競技場を利用すること。

パリ大会で使用される会場の95%は、既存もしくは仮説の競技場だ。自転車トラックも『2022世界選手権トラック』の会場にもなった「Vélodrome National」で行われる。

新たな競技場の建設を最低限に抑えることで、二酸化炭素などの排出量削減を目指す。

参照:Olympics.com News(2024年4月22日)

Vélodrome National」を紹介した過去記事はコチラ▼

サン=カンタン=アン=イブリーヌってどんなとこ?2024パリオリピックの開催地/『2022世界選手権トラック』10月12日(水)〜16日(日)

ガス排出量「50%」削減に挑戦

このオリンピックのキーワードのひとつである「カーボンフットプリント」。二酸化炭素や温室効果ガスの排出量を意味する言葉。パリ大会では大会に関わるカーボンフットプリントを、2012ロンドン大会・2016リオ大会の平均値と比較し、50%削減することを目標にかがけている。

前述した既存競技場の利用をはじめ、来場者の移動や備品の配送まで、カーボンフットプリントの削減が考慮されている。移動手段という点では、今大会に向けて合計400kmに及ぶ自転車レーンが会場周辺に新たに張り巡られたことも注目ポイントの1つとして触れておきたい。

もちろん、回避が不可能なカーボンフットプリントも存在する。そういった部分は、世界中で取り組まれている「環境面・社会面に恩恵をもたらすプロジェクト」を支援することで相殺する、という旨も発表されている。

参照:Olympics.com「競技大会のカーボンフットプリントを50%に」「HALVING THE CARBON FOOTPRINT OF THE GAMES」

全てのチケットがデジタル販売

パリ大会ではオリンピック史上初めて、全ての観戦チケットをオンライン上で販売。

全世界からチケット購入可能とすることで「広く開かれた大会」を促進し、同時に物理チケットをなくすことで、カーボンフットプリントの削減にも繋げる。

参照:Olympis.com「パリ2024のチケット販売」

世界の集大成が17日間に凝縮

マリア・ノボロドスカヤ Mariia Novolodskaia (ROC), ジェニファー・バレンテ Jennifer Valente (USA), Women's Omnium AUGUST 8, 2021 - Cycling : during the Tokyo 2020 Olympic Games at the Izu Velodrome in Shizuoka, Japan. (Photo by Shutaro Mochizuki/AFLO)

7月26日〜8月11日*の17日間で行われる『パリ2024オリンピック』。32競技329種目が行われ、世界中から集まったトップアスリートたちが共に競い合う。

ロードやトラック、BMXなど全5競技からなる自転車は、開幕翌日の7月27日〜8月11日まで毎日開催。

本記事で紹介したパリ大会の特徴にも注目しつつ、選手たちの集大成をぜひご覧いただきたい。

公式大会日程は7月26日スタート。サッカーや7人制ラグビーなど、一部競技の予選は7月24日から実施される。

2024パリオリンピック自転車競技5種目スケジュール・テレビ放送予定