UCIリリースにて2024年7月15日、『ロサンゼルス2028オリンピック』自転車トラック種目の会場となるベロドロームが発表された。

パリでの激闘からさらに4年後、決戦の舞台となるベロドロームについてご紹介する。

UCIリリース(2024年7月15日)

テニスやラグビー、他競技と同じ施設で開催

『ロサンゼルス2028オリンピック』自転車トラックの会場に選ばれたのは、「VELO Sports Center」。UCI国際基準の「1周250m屋内木製バンク」を擁するベロドロームだ。

このベロドロームは、「Dignity Health Sports Park」という複合スポーツ施設に併設するもので、同施設にはテニスコートや、吉田麻也山根視来が2024年現在所属するプロサッカーチーム「LAギャラクシー」のホームスタジアムも内包されている。

LAオリンピックでは、テニス、7人制ラグビー、ホッケーも「Dignity Health Sports Park」内で開催予定。他競技ファンから自転車トラックへの注目が集まるきっかけとなるかもしれない。

参照:「Dignity Health Sports Park」公式サイト

『ロサンゼルス1984オリンピック』の”跡地”

(先頭誘導員 / ペーサー)坂本勉『ロサンゼルス1984オリンピック』メダリスト

「VELO Sports Center」が建設されたのは2004年。これまでエリート、ジュニア、パラサイクリングの世界選手権も開催されてきたベロドロームで、アメリカトラックチームのトレーニング施設でもある。

そして「VELO Sports Center」が位置するのは、『ロサンゼルス1984オリンピック』自転車トラックが開催されたベロドロームの目と鼻の先。同複合施設内の「LAギャラクシー」のホームスタジムがたたずむ場所こそ、1984年大会で自転車トラックが開催された「Olympic Velodrome」の”跡地”なのだ。

参照:Olympics.com(2019年10月26日)

あれから44年

(右)坂本勉『ロサンゼルス1984オリンピック』自転車トラック・男子スプリント表彰台

1984年大会といえば、KEIRINグランプリの覇者(1990年)でもある坂本勉が、自転車競技における日本人初のメダル(スプリント銅メダル)を獲得した記念すべき大会。

残念ながら坂本勉が名を残した「Olympic Velodrome」自体はもう存在しておらず、2028大会が行われる「VELO Sports Center」は厳密な跡地とは言えないが、それでも44年前の偉業の場所。現地に訪れれば感慨深いものがあるだろう。

悔しくもメダル獲得とはならなかったパリの4年後、そして1984年大会から44年後の2028年。日本の自転車トラック競技代表はどんなチームに成長し、どんな走りを見せてくれるのだろうか。

なお「VELO Sports Center」は『ロサンゼルス2028パラリンピック』自転車パラサイクリングトラックの開催地候補にもなっている。近日中に正式発表がなされる予定だ。

【メダリストの軌跡】「行く時と帰ってくる時で人生が変わった」1984年”ロスの超特急”坂本勉インタビュー