逆転に次ぐ逆転の末に、内野艶和&垣田真穂ペア(チーム楽天Kドリームス)が女子マディソンで優勝。内野と垣田にとってネーションズカップでの初めての金メダルとなったレースの模様をお伝えする。

女子マディソン

2024ネーションズカップ第2戦香港大会。大会2日目となる3月16日には女子マディソンが行われ、日本から池田瑞紀&岡本美咲ペア(ナショナルチーム)、そして内野艶和&垣田真穂ペア(チーム楽天Kドリームス)が出場した。岡本美咲にとってはエリートクラスのデビュー戦となる。

出場は全16チーム、32人。オリンピックポイント上位のニュージーランドとイタリアなどの強豪も出場した。今大会のマディソンはトラック120周30km。

【マディソン】これでわかる!トラック競技初心者のためのルール解説・動画

序盤は強豪チームの独壇場

レースの序盤はニュージーランド、オランダ、イタリア、スイスなどの強豪チームがポイントを積み重ねていく。ナショナルチームもチーム楽天Kドリームスも集団の中にはいるものの、なかなかポイントが獲得できないレースの序盤となった。

レースを動かしたアタック

レースが大きく動いたのは残り80周を切ってから。残り80周のポイント周回でチーム楽天Kドリームスが2着3ポイントを獲得すると、集団のスピードが緩んだところでアタックする。このアタックが単独で決まり、内野&垣田ペアが交代しながらポイントを重ねていく。

残り70周回では単独で1着5ポイントを獲得。集団との距離が詰まってっきた残り60周回でも1着5ポイントが加算され、加えてメイン集団を1周追い抜きしたことから+20を獲得。単独アタックによって一気に合計33ポイントとなり、暫定トップとなった。

しかし……

チーム楽天Kドリームスがポイントを重ねている間に、序盤でトップ争いをしていたオランダとニュージーランドも集団からアタックをして、ポイントを重ねていく展開となり、レースは残り50周を切ってニュージーランドとオランダも集団追い抜きを成功させ、再び暫定トップが入れ替わってしまう。

事実上決定したトップ3のメダル順位争い

残り40周のポイント周回後の暫定順位はニュージーランド(39ポイント)、オランダ(38ポイント)、チーム楽天Kドリームスが38ポイントの接戦。暫定4位のスイスがは13ポイントだったので、上位3チームによる表彰台のスポット争いとなった。

トップ3チームがお互いをマークするような形となり、残り30周のポイント周回ではニュージーランドが1着。チーム楽天Kドリームスとオランダはポイントを得ることができず。

残り20周のポイント周回ではオランダとチーム楽天Kドリームスが競り合った結果、オランダが1着(43ポイント)、チーム楽天Kドリームスが2着(41ポイント)、ニュージーランドが3着(46ポイント)となる。熾烈な優勝争いはいよいよ終盤へと差し掛かっていく。

残り10周のポイント周回。何とかポイント差を詰めたいチーム楽天Kドリームスは垣田がスプリントをしてニュージーランドとの1着争いとなるが、ここでもニュージーランドが1着となり5ポイントを加算。チーム楽天Kドリームスは2着3ポイントを獲得したものの、暫定トップのニュージーランドとの差は「7」ポイントまで開いてしまう。一方オランダはポイントを獲得できず、チーム楽天Kドリームスが暫定2位へと順位を上げた。

最終周回のポイント獲得を残しての3チームの獲得ポイント:
ニュージーランド51、日本44、オランダ43。

諦めないチーム楽天Kドリームス ドラマのような逆転劇

最終周回は獲得ポイントが2倍となるルールなため、1着は最大10ポイントを獲得することができるマディソン。残り5周となり、10チームほどの先頭集団が最後の勝負の時を待つ。この中にはチーム楽天Kドリームス、ニュージーランド、そしてオランダが位置していた。

メダルの色を争う3チームの中で最初に仕掛けたのはオランダ。残り3周を切って加速していく。単独で逃げていくオランダをチーム楽天Kドリームスとニュージーランドが追いかけていくが、より勢いがあったのはチーム楽天Kドリームス。

残り2周となって垣田が加速していくと、前のオランダとの距離を詰めていき、最終周回の2コーナーで内野に交代。前を走るオランダとの差は3~4車身ほどあったが、最後に内野が競輪選手らしい加速でオランダを最終ストレートで捕える。見事に1着でゴールしたチーム楽天Kドリームスは10ポイントを加算。2着はオランダ、3着にアイルランド、そして4着にニュージーランド。

この結果、チーム楽天Kドリームスの最終ポイントは54、ニュージーランドが53となり、最後の最後で1ポイント差の勝利をチーム楽天Kドリームス(内野艶和&垣田真穂)が手にした。

内野、垣田ペアはネーションズカップ初の金メダル獲得、そして日本チームとして2021年(梶原悠未&中村妃智)、コロナ禍での開催となった香港大会以来3年ぶり、2回目の金メダル獲得となった。

ナショナルチーム(池田瑞紀/岡本美咲)は12位でレースを終えた。

順位 選手名 所属 ポイント
1位 垣田真穂
内野艶和
RKD 54
2位 ブライオニー・ボサ
エミリー・シャーマン
BOTHA Bryony
SHEARMAN Emily
NZL 53
3位 マリット・ライマーカス
リサ・ファンベル
RAAIJMAKERS Marit
van BELLE Lisa
NED 49

最終結果PDF

選手インタビュー

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