日本の競輪に抱く、新鮮な「楽しさ」

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ワッキー乱入!近畿で寺崎が担うもの

ここからは脇本選手が本格参戦。「チーム近畿」の中で寺崎選手に担って欲しいこととは?

脇本:お互いにやる戦法が近いから、どっちが前でもやること一緒かなって。でも勝ちに行って欲しいですね。俺が前とか後ろとか関係なしに。もう……なんだろ。もういいのよ、俺は。

寺崎:いやいや、脇本さんがよくても周りが黙っていないんで(笑)

脇本:でもそうでないと、下(の世代)が出てこなくなるから。これに関しては俺も古性(優作)も同じ考えです。下が出てこないことには俺らがキツいから、発進して勝つとかじゃなくて、まくり追い込みでも自分が勝つような走りをした方が良いだろうな、と思ってる。

Q:そうやって寺崎選手が勝って自信をつけていろんな舞台に上がれるようになってくれると、脇本選手も助かるということですよね。

脇本:そうです。競輪祭に関しても、準決勝まで勝ち上がっています。土台としては全然大丈夫。あとは走った本数ぶんだけ頑張ったら、自然に上に上がれるんじゃないかなと思うけどね。

寺崎:もうちょっと頑張りたいです。だいぶヤバいですけど、近畿G1選手としては30歳の最年少なので……(笑)

脇本:福井としてもトレーニングパートナーが増えるわけで、ありがたいです。練習しようって言っても福井の後輩からは「僕は別でやります……」って言われるし……。

寺崎:ぜひ一緒に練習させてください(笑)

若手との橋渡し

脇本:ナショナルの練習がわかってるテラ(寺崎)がいたら楽でしょうがない。テラがいることで後輩が自然についてきてくれたらありがたいなと思っています。僕と僕の弟子は10歳離れていて、実感がズレるようなことがあるんですが、テラなら大学時代の国体とかでギリギリ世代が被っているはず。

寺崎:そうですね。僕は結構長く国体に出ていたので、福井の若手組とは面識も結構あるし、仲介役になれるのかな。

Q:ベテラン組と若手の橋渡しになれそう、というわけですね?

脇本:大学組というか、20代真ん中くらいの選手たちはテラのことをよく知っている人が多いんです。そういう部分では寺崎の存在はありがたいですね。

寺崎:福井の若手を盛り上げて……という感じですね。

焦らずひとつずつ

Q:では最後に、今後の競輪選手としての目標を聞かせてください。

寺崎:まだ僕は記念を獲っていないんです。この1年でまずひとつ記念を獲るのが直近の目標です。中長期的にはG1のタイトルが欲しいです。しっかり決勝に上がって、自分の走りで勝負できるような脚と日頃のレース。来年からはそういうものを意識していきたいと思っています。

Q:脇本選手からはどうでしょう?

脇本:レースに出る機会が増えてくるから、慌てず、目の前のレースを頑張っていけば勝手に脚力がついてくると思います。テラの場合はデビュー時点から年齢上めだから、多少急がなければいけない部分もあると思うけど、それでも1戦1戦やっていくことを意識していけばいいかなと思います。獲る記念としてはやっぱり福井記念だよね?

寺崎:いやいや(笑)そこは脇本さんが……

脇本:「俺発進するわ」ってね。

寺崎:(笑)僕に発進させてください!

脇本:その頃には弟子たちもS級に上がってるだろうから。ともかく頑張って欲しいです。

Q:同じく。頑張ってください。

寺崎:ありがとうございます、頑張ります!

敏腕インタビュアー・脇本雄太の手腕もあってか、引退インタビューの割に湿っぽい雰囲気にならなかった本インタビュー。オールスターで感じた「楽しい」を忘れることなく、これから競輪に集中する寺崎浩平が新たなヒーローとなることを期待しよう。