2023年12月21〜24日に、日本競輪選手養成所にてハイスクールトラックサイクリングキャンプが行われた。

この合宿は公益財団法人 全国高等学校体育連盟 自転車専門部が毎年行なっているもの。高校生の全国大会 上位入賞者から選抜された有力選手を対象としている。2023年開催ではJKAが屋内板張りバンクであるJKA250を合宿場所として提供し、「ハイスクールトラックサイクリングキャンプ」のタイトルで実施。高校生たちは250mバンクを走る貴重な機会に恵まれた。

さらに、元日本代表としてロンドンオリンピックにも出場した前田佳代乃が指導に参加。合宿1〜2日目にはチームブリヂストンサイクリングの選手たちが実技指導を行なった。

チームブリヂストンサイクリングからはKEIRINグランプリ2023を直前に控えた新山響平が参加し、1kmTTの走り方の実技指導を行った(新山の実走は無し)。また兒島直樹、松田祥位、山本哲央、河野翔輝の4選手がチームパシュートの実走を披露。生徒たちの実走に対しても直接アドバイスを行った。

新山響平や児島直樹らトップ選手が直接指導「全国高体連トラック全国合宿」

予定には無かったが窪木一茂も現れ、参加者へアドバイスを送った

新山響平や児島直樹らトップ選手が直接指導「全国高体連トラック全国合宿」

個別の質問にも親身に答える松田祥位

新山響平や児島直樹らトップ選手が直接指導「全国高体連トラック全国合宿」

ナショナルチームのジュニア選手も合宿に参加

前田佳代乃「金の卵は生まれてる」

前田佳代乃,新山響平や児島直樹らトップ選手が直接指導「全国高体連トラック全国合宿」

国際審判の資格も取り、今度のネーションズカップにも審判として参加するとかしないとか……

競技引退後、会社員として働きつつもJCF理事として自転車競技の発展へ尽力し続ける前田佳代乃に、自身が経験してきた競技環境と現在の違いについて尋ねた。

Q:自身の現役時代と比べ、競技環境の変化は感じますか?

私が高校生だった頃は、今いるJKAの250バンクは屋外のものでした。伊豆ベロドロームだって当時はただの駐車場(笑)屋内の250バンクって無かったんです。だから今の若い世代は羨ましいですし、乗ってる自転車だって当時と比べたらものすごく進化しています。こういう所で走れるのは、私が高校生だった頃には考えられなかった事です。

新山響平や児島直樹らトップ選手が直接指導「全国高体連トラック全国合宿」

サポートスタッフとして古山稀絵も参加

Q:競技者のレベルとしてはどうでしょう?

エリートに上がったばかりの岡本美咲や水谷彩奈、それから垣田真穂・池田瑞紀の2人もそうですが、彼女らはジュニア上がりから一気に世界を目指せるところまで上がってきてくれた選手です。金の卵は確実に生まれています。

去年や一昨年、彼女たちもこの合宿に参加していました。ここから世界を目指す子達が実際に出てきているということは「レベルが上がっている」と言えるでしょう。

でもちょっと寂しいのは、私が高校生の時に樹立したジュニア記録が未だに破られていない事。女子の短距離に関してはもっと記録を出して欲しいなと思います。課題は短距離ですね。短距離も今の世代でジュニアからエリートに直接上がってくるような、今のエリートを脅かすような選手が出てきて欲しいと感じます。

Q:この合宿では参加者にどういったものを持ち帰ってもらいたいですか?

今の世代の子達は、新型コロナの影響もあって250mバンクでの走行機会が少なかった世代です。

去年は京都の屋外バンクで実施しましたが、今年はJKAさんの協力の下で250mの屋内バンクを使わせていただきました。ここでしかできない経験、ここでしかわからない事はたくさんあると思います。250mを走るのってめちゃくちゃ怖いけど、ずっと走っていたらその感覚も無くなるし、走り方を覚えていけるものです。

この合宿ではタイムや結果を求めているわけではなく、「250mはここでしっかり走り込んだから、次に世界基準の競技場で走った時もベストを狙えるぞ」という状況でレースをできる状態になって欲しいと思います。

名前の由来はやっぱり……

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