2023年9月26日。2022アジア競技大会(杭州)のトラック競技がスタートした。トラック競技初日に実施されたのはチームスプリント、チームパシュートと男女合わせて4種目。この記事では僅差の末に、2006年の優勝以降17年ぶり、大逆転の金メダルを獲得した男子チームスプリントについてお伝えする(女子は日本チームの出場無し)。
男子チームスプリントに出場したのは9チーム。日本はアジア選手権のチャンピオンとしてアジア大会のタイトル獲得に臨む。レースは予選⇒1回戦⇒メダル決定戦の勝ち上がりとなった。
予選:中野慎詞が第3走!
予選のレースはタイムトライアル。日本は世界選手権メンバーで臨むと思われたが、第1走に長迫吉拓、第2走に太田海也、そして第3走に小原佑太ではなく中野慎詞の布陣。注目のタイムはチームとして43秒954と全体の2位となった。1位は中国で43秒715。どちらのチームも42秒台で走れる潜在能力はあるため、1回戦のタイムに注目が集まる結果となった。3位はマレーシアで日本よりおよそ1秒遅いタイム。
1回戦:世界選手権メンバーで出走 中国とまたも僅差の2位
1回戦はインドとの対戦。勝って、なおかつトップ2までのタイムであれば決勝へと進むレースとなる。日本チームは第3走を中野慎詞から小原佑太に変更してレースに挑んだ。
ギアを一つ上げるかのようにスピードを上げた日本チームのタイムは43秒330。対戦相手のインドを1秒以上突き放しての先着となった。全体で日本のタイムは再び2番目となり、中国(1回戦のタイムは43秒211)との決勝へ駒を進める。
決勝:ここまで僅差の中国と…
予選ではコンマ2秒、1回戦ではコンマ1秒と日本を上回っている中国との決勝。2023アジア選手権でも決勝で顔を合わせている両者のトップ争いとなった(アジア選手権では日本が大差の勝利)。
第1走の長迫のタイムは17秒668、中国は17秒477。中国がリードして第2走の太田海也が中国を追っていく展開。僅かに差が詰まったかどうかといった互角のレースは第3走の勝負となる。小原が単独で走り始めると、その差が埋まっていっているように見え、最後は僅差のフィニッシュ。
最終走者の小原が中国チームを追い抜き、フィニッシュタイムを42秒934(※大会新記録)としてアジア大会でもアジアのトップを得る結果となった。2位中国のタイムは42秒968。コンマ1秒に満たない僅差のレースを日本が制する結果となった。
3位決定戦はマレーシアと台湾の対戦。このレースはマレーシアが制して銅メダルを獲得した。
順位 | チーム | 選手名 | 決勝タイム | |
1位 | 日本 | 長迫吉拓 太田海也 小原佑太 (中野慎詞) |
42.934 ※大会記録 |
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2位 | 中国 | グォ・シュアー チョウ・ユー リュウ・シ (シュエ・チェンシー) |
GUO Shua ZHOU Yu LIU Qi (XUE Chenxi) |
42.968 |
3位 | マレーシア | ウマー・ハスバラ ムハマド リトワン・シャローム ムハンマド・ゾニス |
HASBULLAH Umar SAHROM Muhammad Ridwan MOHD ZONIS Muhammad Fadhil |
44.165 |