長迫吉拓選手 インタビュー
Q:1回戦では17秒3という好タイムを叩き出しました。走り終わっていかがですか?
昨日(予選、8月3日)はスタート直後にちょっと滑ったのですが、今日は滑らなかったから、走った感じも悪くないなと感じていました。チームスプリントでは合計タイムの次くらいに1走のタイムが注目されます。今回のタイムで「世界のトップに入れるレベルになれたかな?」という思いはあります。このタイムをコンスタントに出す力も大事になりますね。
ただ、今回自己ベストは出せましたが、自分だけが良くてもダメだし、自分も後半が速く走れればもっと後ろを連れて行くことができたはずです。
今回、自分の後半タイム(1周目の後半半周)は6秒9あたり。6秒7くらいを出したいし、マレーシアでは出せていました。僕の課題である後半で「もっと伸びれば」という思いがあります。歯痒い気持ちです。一個一個の「良いポイント」をまとめる大変さを感じました。
Q:ベスト4以上を狙うためには、何が必要でしょうか?
予選でもう少し上に行くことができれば、拮抗していないレベルの相手と1回戦を戦うことができます*。現在の立ち位置は悪くはないけど、良くもない。予選タイムももちろん大事ですし、1回戦からは勝ち上がっていく力が大事になります。そちらもまた大事ですので、残り少ないネーションズカップなどを無駄にしないよう、日頃の練習から詰めていきたいです。
※予選1位の国は8位と、2位は7位と……という形で1回戦の組み合わせが決まる。今回日本は予選4位だったので、タイムが拮抗する5位のフランスとの対戦となった。
Q:コンスタントに17秒5を切るようになりましたが、成長は感じますか?
今回出した17秒3は、もう少し早い時期に出せたはずだと思います。とはいえ、やっぱりこういう緊迫した雰囲気でないとタイムが出ないのかなとも感じますので、常日頃からプレッシャーをかけてやっていきたいと思います。
Q:「先が見えた」感じはありますか?
見えてると信じたいですね。オリンピック出場枠の獲得自体は硬いと思うんですが、「じゃあ誰が出るのか?」となると確実なことは言えない。もう少し上を狙っていかないと、と思います。
楽しく走れた、と思います。この独特の雰囲気は好きだし、できることならもう1度やりたいですね。
Q:パリオリンピックまであと1年。これからどのようなことをしていきますか?
(太田)海也、小原(佑太)も普段からかなり緊張感を持って練習していますが、彼らはオリンピックに出た経験がありません。どうやって「本気で」取り組むかをみんながわかってきたところかな、と思います。チームに助けられているし、僕のチームを引っ張っていると思う。お互いの頑張りが相乗効果を生むような、歯車が合うような感じになっていけばと思います。
去年は鈍行、今年は特急。来年は新幹線を目指して頑張りたいと思います!
太田海也選手 インタビュー
Q:走り終えてどのような感想でしょう?
目指していたところは表彰台でした。今はちょっと……まだ感想が言えるほど感情が定まっていないです。
Q:予選で12秒4、1回戦は12秒5でした。ご自身の走りに関して振り返っていかがですか?
今シーズンやってきたことをすべて出せたと思います。スタートも余裕を持ってつくことはできていたんですが、実際蓋を開けてみるとそんなに良いタイムでもなく……その辺りがまだ飲み込めていないので、またコーチと話して探っていきたいと思います。
自分としては改善するところがあまり分かってない状態です。体の動きもそんなに悪くなかったと思います。日本新記録が出る?と思うくらいの感覚で走っていたので……
Q:1回戦は長迫選手がとても良いタイムを出していました。スピードは感じましたか?
自分のことに集中していて、前が速いことは「いつも通り」という感じでしたね。スムーズにいったように感じたんですが、終わってみるとタイムが出ていなかったです。調整の仕方など、もっと考える必要があるのかもしれません。
Q:1回戦のリザルトを見ると、オランダが頭ひとつ抜けていますが、他は近しいタイム。日本にもチャンスがあるかと思います。
今シーズンをこの大会に向けてやってきました。もっともっと上のレベルで戦いたかったし、戦えると思っていました。だけど世界のトップにはまだ届かなかったので、来シーズンでは肉体はもちろん、日本に足りていない技術の面をもっと高めていきたいと思います。
Q:まだレースは続きます。
明日(8月5日)からスプリントが始まりますが、しっかり寝て切り替えて、明日ベロドロームに入りたいと思います。
小原佑太選手 インタビュー
Q:走り終えての感想を聞かせてください。
チームメイトに対して申し訳ない気持ち、悔しい気持ちです。海也の時点では勝っているという状況で、自分がタレてしまいました。そこに尽きます。
走っている時は踏み切れているように感じており、ベストタイムを出した時と同じような感覚でした。電光掲示板を見るのが楽しみだったんですが、蓋を開けてみたら42秒9で……個人のラップタイムを見ても13秒フラットで、海也のタイム+0.3秒以内という今回の目標もクリアできていませんでした。それができていれば、フランスチームにも勝てていたはずです。
Q:昨日は体調面も少し悪かったとお聞きしてます。
今日はもう薬を飲んで、気にしないようにしていました。メンタル的にも昨日よりリラックスできていたと思います。後ろについてる時も楽に感じられましたし……でも、技術的にまだまだ詰められるところがあるのだと思います。肉体的にもまだまだ足りないとわかりました。またイチからやり直していきます。
技術面で言えば、バンクの形状を活かしてより内側で走ること。コーナーを活かすこととか、加速し切る部分も未熟でした。ギアも海也より軽いものを使っているので、もっと重いギアを踏めれば3走としての役割を果たせると思います。
フランスのタイムを見ると、2走と3走のタイムはあまり変わりません。そのレベルを目指していきたいと思います。
Q:オランダ以外の国はタイムが拮抗しています。日本チームが頭ひとつ抜けるために何が必要だと感じますか?
ジェイソン・ニブレットコーチからはチームメンバーそれぞれ技術的に足りない部分があると言われています。また肉体面も他のチームに比べたら未熟です。ひとりひとりが課題をクリアすることで、もっと良いタイムを狙えます。それこそ1-2位決定戦に上がれるポテンシャルはあると思うので、オリンピックに向けてそこに向かって引き上げていきたいと思います。
今の悔しい気持ちを忘れず、ひとつひとつ積み重ねるしかない。あと1年しかないと思って、精一杯頑張ります。