『2023アジア選手権トラック』マレーシア・ニライ大会。6月18日に男子ケイリンが行われ日本勢全員(寺崎浩平/中野慎詞/太田海也)が決勝に進出。

中野が銀メダル、寺崎が4位、太田が5位という結果を残した。男子ケイリンのレースをお伝えする。

男子ケイリンに出場したのは、日本からは2022アジア選手権ケイリンで優勝した寺崎浩平、ネーションズカップ第2戦で金メダルを獲った中野慎詞、同じくネーションズカップ第2戦で銅メダルの太田海也の3人。

アジアからは大会2日目にスプリント種目でチャンピオンとなった開催国の英雄アジズルハスニ・アワン、2018年アジア大会ケイリン金メダルのジャイ・アングスタサウイット(タイ)など。計25人がエントリー。

1回戦は寺崎、太田が1着、中野が開催国の強豪ムハマド・シャロームをかわせなかったが、2着となって、日本人の3人は準決勝へと勝ち上がりを決めた。

1回戦結果PDF

実力通りとなった準決勝 第1組

準決勝は3着までが決勝へと進む。1組には太田と中野、そしてアジズルハスニ・アワン(マレーシア)を含む6人が出走。レースは残り2周で太田が2番手、アワンが3番手、中野が5番手。太田が前をかわして先頭に出ると、その後ろに続くアワン、少し距離を開けて中野がアワンに続く形で最終周回へ。

前の3人がそのままの順番でフィニッシュし、太田、中野、アワンの3人が決勝進出となった。

大落車発生の準決勝 第2組

2組には寺崎、ジャイ・アングスタサウイット(タイ)、ムハマド・シャローム(マレーシア)など6人が出走した。寺崎が4番手となって残り2周。2コーナーを回り一気に寺崎が加速すると、先頭へ。しかし寺崎が先頭へ出るタイミングで後続がもつれ合い、2番手の選手から後続は全員が巻き込まれる大落車が発生してしまう。

寺崎は自分1人となった走路を完走したが、他の選手はサドルが折れたり、自転車を替えたりと厳しい状況の中、シャローム(マレーシア)が退避路を走り、フィニッシュを目指す。

すぐさま追っていったのはセルゲイ・ポノマリョフ(カザフスタン)とアングスタサウイット(タイ)。

フィニッシュラインへ到達した順はアングスタサウイット、シャローム、ポノマリョフの順となったが、決勝進出メンバーについては審判の判定を待つことになった。

そして判定の結果、走り切った選手は決勝へと上がることとなり、第2組からは4人(寺崎、シャローム、ポノマリョフ、アングスタサウイット)が決勝進出を決めた。

準決勝結果PDF

レース巧者のアワン 中野慎詞の追い上げ

【決勝メンバー】

寺崎浩平
中野慎詞
太田海也
ジャイ・アングスタサウイット(タイ)
ムハマド・シャローム(マレーシア)
アジズルハスニ・アワン(マレーシア)
セルゲイ・ポノマリョフ(カザフスタン)

7人の出走となった決勝。

レースは中野、太田、ポノマリョフ、シャローム、アングスタサウイット、寺崎、アワンの順で周回を重ねていく。

残り3周半となり動きだしたのはアワン。残り3周のペーサー退避と同時に先頭へ。

アワンに続くのは寺崎。残り2周で寺崎が先頭に出ていくと、寺崎の後ろにはアワン、外側にアングスタサウイット、アワンの後ろに中野、中野の外にポノマリョフ、太田が中野の後ろ、その外にシャロームとなる。

残り1周半。シャロームが上がっていくとアングスタサウイットと接触し、アングスタサウイットが落車してしまう。

そしてこの煽りを受けたのは中野慎詞、太田海也とポノマリョフ。後ろから攻めようかというタイミングでスピードを落とす形となり、中野がやや失速。太田とポノマリョフは勝負権を失ってしまった。

残り1周で前の4人の勝負となったレースは寺崎が先頭で駆けていき、アワン、シャローム、少し離れて中野の順。残り半周で外に踏み出したアワンが寺崎をかわしていき、最終ストレートへ。

外からは中野がスピードを上げて追い上げるが、アワンが先着。2着は大外から中野、そして3着にシャローム。内側で粘った寺崎は4着、途中で失速した太田は5着となった。

優勝はスプリントに続き、開催国の英雄アワン。銀メダルは中野慎詞。銅メダルはシャローム。

銀メダル獲得:中野慎詞選手 インタビュー

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