マレーシア・ニライで開催中の『2023アジア選手権トラック』。6月16日、大会3日目には男子スプリントの準決勝と決勝が行われ、太田海也とマレーシアの英雄アジズルハスニ・アワンが金メダルをかけて戦い、アワンが熱戦の末にアジアのタイトルを獲得した。

3位決定戦は寺崎浩平と山﨑賢人の争いとなり、この勝負を制して銅メダルを獲得したのは山﨑賢人。

大会2日目の6月15日に準々決勝まで実施し、16日行われた男子スプリントの準決勝と決勝。準決勝のカード以下の通りとなった。

第1組:アワン vs 山﨑賢人

第2組:太田海也 vs 寺崎浩平

山﨑vsアワン

1本目がスタートすると山﨑が前、アワンが後ろでゆっくりとレースが進む。1車身ほどの差で山﨑の後ろから離れないアワン。山﨑は前でスプリント体制に入るタイミングを伺う形となる。

レースが動いたのは最終周回に入るホームストレート。山﨑が加速していくとアワンがバンクの傾斜を駆け上がり、そしてスピードを付けて山﨑の外から位置を上げていく。残り半周でアワンが山﨑に並びかけるが、そこから山﨑も粘り強い走りで3コーナー、4コーナーと走っていく。しかし最終ストレートで前に出たアワンが先着する結果となった。

2本目は山﨑が後ろになってレースが進む。最終周回前にスピードを上げた山﨑が前方のアワンの内側から攻めると、山﨑が逃げる展開へ。しかし山﨑にピッタリとついてくるアワンが、僅差となったが最後に山﨑を追い抜き先着。

アワンがストレートで勝ち上がりを決めた。

太田海也vs寺崎浩平

太田が前、寺崎が後ろとなってレースがスタート。ゆっくりと半周を過ぎたところで太田がスタンディングで止まると、寺崎が位置を変えて前へ。2人の位置が変わるとレースのスピードが上がっていく。残り1周半を切って仕掛けたのは後ろにいた太田。一気に加速して前に出て、先行体制に入る。後ろから寺崎が迫るが、最後まで届かずに太田が先着。

2本目は寺崎が前、太田が後ろでレースが始まる。1本目と同じようにゆっくりと進む両者だが、寺崎が止まると太田も止まり、両者の位置関係は変わらず、徐々に1周が経過する。

2周目に入り、前でスピードを上げていく寺崎だが、4コーナーでバンク上部に上がった隙に、太田が内側から仕掛けて前後が入れ替わる展開。最終周回に入り太田が加速していき、寺崎が後ろから追いかけていくが、太田が逃げ切って再び先着。アワンとの頂上決戦の舞台に歩みを進めたのは太田海也となった。

準決勝結果PDF

決勝:太田海也vsマレーシアの英雄

マレーシアの英雄アワンとの決勝戦。太田が前、アワンが後ろでレースが始まる。前で太田が縦に横にと動くが、太田の後輪から離れないアワンがぴったりとくっついていく。残り1周半で踏み込み、スピードを上げていく太田だが、アワンを引き離せずに最終周回へ。残り200mラインから一気に加速したアワンが太田に並びかけると、最終ストレートで僅かに抜け出し、先着。1本目はアワンが得た。

太田にとって後が無くなった2本目。今度は太田が後ろから攻める形となる。太田は前のアワンと大きく間隔を持って、残り1周半前からアワンをかわしにいく。最終周回に入ると並走となり、僅かに太田が前に出るかと思ったところで、力強い走りを見せたのはアワン。

太田のスピードに合わせて内側で粘り、最終ストレートでは太田を押さえて、最後には得意のウィリーを見せて先着を果たした。

この結果、アワンがストレートで太田に勝利し、アジア選手権男子スプリントの王者となった。2位は太田。

アワンは右冠動脈左冠動脈洞起始症(AAORCA)の手術を2022年に受け、治療とリハビリのため2022年はレースには出れなかった。今回の優勝で、パリ2024に向けて見事な復帰を自国開催のアジア選手権で遂げる形となった。

3位決定戦は寺崎浩平と山﨑賢人の戦い。1本目は、最終周回で後ろから一気に加速した山﨑が追い込んで先着。2本目は、最終周回前にフル加速をして寺崎を突き放した山﨑がそのままフィニッシュ。2本を山﨑が奪取し、銅メダル獲得を決めた。

最終結果PDF

優勝:アジズルハスニ・アワン選手 インタビュー

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