UCI(国際自転車競技連合)は2023年5月2日〜4日にイタリアにて理事会を開催。「ロシア・ベラルーシ選手に対する制裁の”緩和”」について発表した

UCIリリース(2023年5月3日)

公式発表までの経緯

今回のUCIリリースより約1ヶ月前の2023年3月28日、IOC(国際オリンピック委員会)が公式声明を発表。

IOCは本声明にて各国際競技連盟や国際スポーツ大会の主催者に対し、ロシア・ベラルーシ国籍の選手による国際大会への復帰・出場機会を模索するように呼びかけ、『中立的な個人アスリート』としての大会参加を提案した。

UCIはIOCによる本声明を支持する形で、国際自転車競技におけるロシア・ベラルーシ選手に対する制裁措置を一部変更した。

IOC公式声明(2023年3月28日)

UCIの立場について

本リリース冒頭で述べられていた、「ウクライナ情勢」におけるUCIの立場を最初に紹介する。

・ロシア政府によるウクライナへの侵略行為、その侵略行為を支援するベラルーシ政府に対し、UCIは断固として非難し続ける。

・UCIの政治的中立性を強調していく。

・あらゆる選手が自身の国籍によって差別されることないよう、全選手の権利を強調していく。

ウクライナへの支援を継続

UCIはロシア・ベラルーシ選手への制裁措置の変更とともに、ウクライナの自転車競技への支援についても発表した。

経済的なサポート
・ウクライナ自転車競技連盟とその選手に対する経済的支援を継続していくにあたり、新たに「100,000スイスフラン」を提供する。なお、その内の「20,000スイスフラン」はUEC*より提供される。

※UEC:ヨーロッパ自転車競技連盟

競技へ打ち込める環境を提供
・パリ2024オリンピック出場を目指すウクライナ選手をスイス・エーグルのWCC*に招待し、ウクライナ選手たちが獲得し得る出場枠の最大化を図る。

※WCC:ワールドサイクリングセンター

技術的・物質的サポート
・2022年*同様、ウクライナ自転車競技連盟に対し技術的・物質的サポートを提供し、ウクライナ選手たちによるトレーニングやレースの継続を可能にする。

※2022年にUCIは600,000スイスフランを提供。ウクライナ選手に対し初めて支援を提供した国際連盟となった。

UCIの優先事項として取り組む
・ウクライナ選手がUCIの公式大会やパリ2024オリンピックに出場できるよう、ウクライナへの支援を、UCI理事会が掲げる優先事項の1つに位置付ける。

ロシア・ベラルーシ選手への新たな救済措置

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