2023年5月15日、『2023全日本選手権トラック』の最終日に男女のポイントレース種目が実施された。大会を締め括るこの種目を制し、最後のチャンピオンジャージを手にしたのは男子種目では兒島直樹、女子種目で梶原悠未となった。
ポイントレース
今大会男子は30km、女子は20kmで行われる種目。10周回ごとに1位~4位に対して5点、3点、2点、1点が割り振られる。フィニッシュ着順では各ポイントが倍になり、レース中に集団に1周差を付ければ20点を獲得できる。最終的に高ポイントを獲得した選手が勝ち。
男子ポイントレース
松田祥位が序盤に単独でアタックすると、集団はこれを容認する。どんどんと離れていく松田は、残り90周、3回目のポイント周回前に1周追い抜きを成功させて、単独トップとなる。
レース中盤、チームブリヂストンサイクリングの4人が先頭で逃げ集団を作るなか、兒島がアタックすると、一気に集団を追い抜いて20ポイントを追加、そして直後に松田も逃げ集団から追いつき、松田⇒兒島の順でラップ(1周追い抜き)を成功させる。2回のラップを成功させた松田が大量リードでレースをけん引していく。
しかしレースは終盤となり、8回目のポイント周回後に松田が-1ラップ、-20ポイントとなることが通達された。先頭集団から遅れた松田がポイントを失って、レースのトップ争いは松田が33ポイント、兒島が32ポイントと一気に差が無くなった。先頭は橋本、兒島、松田、今村の4人となり、4人がローテーションしながらレースは進む。
9回目のスプリント周回では橋本、兒島、松田、今村の順で入線すると、遂に兒島と松田のポイントが並ぶ(35ポイント)。
ここから力を見せたのは兒島。10回目、11回目と前にいる選手たちを捲って1着。45ポイントまで加算することに成功。一方松田は3ポイント追加に留まり、38ポイントと7ポイントの差をつけられてしまう。
残るは最終ポイント周回。
トップ争いに注目が集まったが、暫定3位の橋本英也と暫定4位の今村駿介がアタックし、集団から離れていく。最後のポイント周回は橋本が1着、今村が2着、3着に矢萩悠也(京都産業大学)、4着に松田。
兒島はポイント差を守り切り、2022年に続き、2年連続2回目のポイントレースの王座を獲得した。
優勝:兒島直樹選手インタビュー
この種目は自分の得意種目。絶対に勝ちたいと思って望んできました。結果に結びついて嬉しいです。
昨日のオムニアムでの調子は良かったのですが、最後に爪の甘さが出てしまいました。今日は絶対に最後まで諦めないよう、頑張って走りました。
最後に競り合うことになった松田選手は、今日すでに個人パシュートを走っています……それであの強さですから、本当に強い選手。個人パシュートがなかったらどうなっていたかわからないので、チャンスも捕まえられたのかなと思います。
全日本選手権は特別な大会です。海外のレースとは違って国内、ブリヂストン同士の戦いになりますが、それだって海外で戦ってきた選手たち。その中で勝てるということが、世界への切符だと思います。
この4日間やってきた中で、自分は体力が持ち味だなと感じました。弱い部分はたくさんありますが、長所を伸ばしていけたらと思います。