内野艶和が1日で2回の日本記録の更新を遂げ、松田祥位は個人種目で2冠を達成する個人パシュートとなった。

4日間にわたって開催されてきた『2023全日本選手権トラック』もいよいよ最終日。タイム系種目が多く実施される最終日、男女の個人パシュートが実施された。

個人パシュート

男子は4km、女子は3kmで実施。予選ののち、タイム上位選手が1・2位決定戦、3・4位決定戦に進出する。バンクのホームとバックに分かれ同時にスタートし、より速いタイムでフィニッシュするか、パシュート(追い抜き)して相手選手に追いつけば勝ちとなる。

日本記録 世界記録
男子(4km) 4分10秒521(松田祥位/2022年) 3分59秒636(フィリポ・ガンナ/2022年)
女子(3km) 3分33秒740(梶原悠未/2019年) 3分16秒937(クロエ・ダイガート/2020年)

女子個人パシュート、4年ぶりに日本記録の更新

内野艶和(チーム楽天Kドリームス)、古山稀絵(チーム楽天Kドリームス)、池田瑞紀(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学)、垣田真穂(チーム楽天Kドリームス/早稲田大学)、大関奏音(日本体育大学)、川本莉子(鹿屋体育大学)、五味田奈穂(JPCA)の7選手がエントリー。

予選で内野、垣田、池田、古山の順で上位4人が決まり、決勝へ駒を進めた(梶原悠未は今種目エントリーなし)。

内野艶和はこの予選ラウンドにて日本記録を更新。これまでの記録は梶原悠未が2019年に記録した3分33秒740だったが、新たに3分33秒446が日本記録となった。

予選リザルトPDF

大幅更新!再び日本記録

3位決定戦は池田と古山のレース。レースは序盤から池田がリードをする展開となり、3kmを走りきって逆転を許さずに池田が3分37秒126のタイムで銅メダルを獲得した。古山のフィニッシュタイムは3分43秒789。

決勝は予選で新日本記録を樹立した内野と垣田のレース。レースは内野が予選とほぼ同じペースでリードし1kmを過ぎていく。2km地点では、予選タイムを2秒上回り、再度日本記録更新を期待させる展開。

フィニッシュに近づくにつれて高まる期待の中フィニッシュラインを駆け抜けた内野のタイムは3分30秒486。予選タイムをおよそ3秒上回るタイムで会場を沸かせ、同日に2回目となる記録の更新を果たした。2位の垣田のフィニッシュタイムは3分35秒067。

優勝は内野艶和、2位に垣田真穂、3位は池田瑞紀の最終結果となった。

最終リザルトPDF

優勝:内野艶和選手インタビュー

3kmを走るのは今回が初めてでした。どう走ればいいんだろう?と迷いはあったんですが、ラップタイムの維持やフォームを意識し、無駄なく走ることを考えていました。

ペース維持は比較的得意な分野。それが上手く活きたのだと思いますが、レース系種目ではアップダウンもあるので同じようにはいきません。その辺りは梶原悠未選手の得意分野ですし、近くに良い選手がいますから、しっかり吸収したいと思っています。

決勝ではさらに3秒ほど縮めましたが、自分でもびっくりしました。走りながらラップタイムを見て「予選より良いな」と思いつつ、疲労はあるにせよ体の調子も悪くない中で、最後まで踏み切ることが出来ました。その結果が日本新記録だと思います。嬉しかったです。

フィジカルもまだまだ足りてない状況で、今回の日本新は少し自信になりました。スプリント力もしっかり仕上げて、世界選手権までに少しでも良い状態に持っていけるよう、今後も練習に励んでいきます。

男子個人パシュート

1/2 Page