日本の頂へと再び上り詰めたのは佐藤水菜。『2023全日本選手権トラック』女子スプリント種目は、太田りゆとの3本勝負を制した佐藤水菜が2年連続となる優勝を遂げた。
2023年5月12日より静岡県・伊豆ベロドロームにて開催中の『2023全日本選手権トラック』。大会2日目となる13日、短距離種目のスプリントが実施された。
スプリントのルール
予選はフライングスタート(助走つきスタート)で行う200mタイムトライアル。勝ち上がった選手たちは1対1・先着順のタイマン勝負となる本戦へと駒を進める。
予選
2022アジアチャンピオンの太田りゆ、2022日本チャンピオンの佐藤水菜など、女子には8選手がエントリー。予選の上位5人は以下の通りとなった。
選手名 | チーム | タイム | |
1位 | 佐藤水菜 | Team Rakuten K Dreams | 10.724 ※大会新 |
2位 | 太田りゆ | TEAM BRIDGESTONE Cycling | 10.791 |
3位 | 梅川風子 | Team Rakuten K Dreams | 10.883 |
4位 | 久米詩 | JPCA | 11.365 |
5位 | 小原乃亜 | 八戸学院大学 | 11.547 |
準決勝は佐藤水菜vs久米詩、太田りゆvs梅川風子の戦い。佐藤vs久米は佐藤が先行して1本目を得ると、2本目は捲って先着。世界で戦うレーサーとしての実力を見せて、佐藤が決勝進出を決めた。
太田vs梅川のレースも、太田が1本目を先行、2本目は追い込み、どちらも僅差の勝負ではあるが、太田が2本を得て、決勝進出を決めた。
アジアチャンピオンvs日本チャンピオンの戦い
決勝。太田は白のジャージに身を包む、2022年のアジアチャンピオン。太田が前、佐藤が後ろでレースは始まると、大きく距離を開けて佐藤がバンクの上部でスピードを上げていく。
太田も踏み込んで距離を保ちながら進むと、残り1周半を切って佐藤が内側から攻める。しかし太田が上手く前を塞いで、勝負は最終周回へ。仕切り直す佐藤が再度バンクを駆け上がり、傾斜を使ってフル加速して攻めていく。3コーナーから4コーナーにかけて両者が並ぶ接戦となったが、最後は佐藤が追い込んで先着した。
2本目は前が佐藤、後ろが太田となってレースが進む。序盤からどんどんとスピードが上がる展開のレースは位置関係が変わらぬまま、最終周回へ。佐藤が先行体制に入って逃げるが、後ろの太田がバンクの傾斜を利用してスピードを上げると、残り半周で横並びとなる。
3コーナーから4コーナーでは少し前に出た太田だが、ホームストレートで粘りを見せる佐藤。フィニッシュは両者ほぼ同時となったが、判定の結果は太田が先着。
勝敗を決めるのは最後の3本目となった。
日本の頂を決める最後の1本は、前に太田、後ろに佐藤となる。これまでの2本と同じように早目にペースが上がってききながら、残り1周となるホームストレートで、一気に後ろから仕掛けたのは佐藤。
猛ダッシュで前に出ると、そのまま先行体制へ。太田が後ろから追う形となったが、佐藤のスピードが落ちずに、佐藤が先着。
佐藤が3本に及ぶデッドヒートを制して、2023年のスプリント日本一となった。
3位決定戦は梅川vs久米の戦い。この勝負は梅川が2本とも先行する形で制した。
優勝は佐藤水菜、2位に太田りゆ、3位が梅川風子という最終結果。