準決勝:世界王者を苦しめた太田海也
準決勝に勝ち上がった太田を待ち構えていたのは、王者ハリー・ラブレイセン。
両者は第1戦の決勝でも対戦しており、この時はラブレイセンが2本先取のストレート勝ちとなった。
1本目は太田が前、ラブレイセンが後ろでスタート。お互い強烈なダッシュ力を持つ選手のため、いつレースが活性化するか分からないまま緊張感を伴って進む。
迎えた最終周回。両者ともにバンクの上部から駆け降りていくが、やや早目に太田の内側から抜けていこうとするラブレイセンを太田が良いタイミングで進路に入って阻止する。
前を譲らない太田は、この機に一気にフル加速して逃げ切り体制へ。一方、ラブレイセンは仕切り直して再度外から攻め上がってくる。
最終ストレートで並んだ両者だったが、僅差で太田が逃げ切って1本目を得ることに成功した。
It is going to be an action-packed night of racing 😱
1-0 to Kaiya Ota 🇯🇵 versus World Champion, Harrie Lavreysen 🇳🇱 in the Sprint Semi's.
Pressure is on for the favourite now… #TissotNationsCup pic.twitter.com/Q3fJ2hPpat
— UCI Track Cycling (@UCI_Track) March 17, 2023
2本目。今度はラブレイセンが前、太田が後ろとなってレースは進む。3車身ほど離れて進む両者だが、残り1周半を切って太田が一気に仕掛けていく。少し躊躇したか、この仕掛けにはラブレイセンがスピードを合わせて前を譲らず、最終周回へ。
外を並走する太田だが、残り半周を切って失速すると、ラブレイセンに2本目を奪取される結果となった。
Lavreysen 1️⃣ – 1️⃣ Ota.
And this is just the Sprint Semi's.
Who will make it through to the Finals!? #TissotNationsCup pic.twitter.com/JbR3qJnWdj— UCI Track Cycling (@UCI_Track) March 17, 2023
決勝進出、そして王者を倒すための勝負の3本目。
レースは1本目と同じような展開となったが、最終周回へ入る場面が勝負の分かれ目となった。
太田が前、ラブレイセンが後ろとなって、ラブレイセンがバンクの上部から駆け降りていく。太田は早目に内側を閉めてスプリント体制へ入るが、仕掛けた側のラブレイセンのスピードが太田を上回り、最終ストレートでは自転車1つ抜け出す差でフィニッシュ。
ラブレイセンが2本を得て、決勝進出を決めた。太田は3位決定戦をマテウス・ルディク(ポーランド)と戦うことになった。
3位決定戦:ストレート勝ちで銅メダル獲得
メダル獲得をかけた3位決定戦はマテウス・ルディク(ポーランド)とのレース。1本目は太田が前。ルディクが後ろとなって進む。ルディクが内側を突こうとすると太田が進路を塞ぎ、最後の1周へ。太田がルディクを引きつけて全力で駆け始めると、ルディクに並びかけることを許さず先着。
2本目は前を走るルディクを最終周回で捕えた太田が勝利し、3位を確定させた。太田は第1戦の銀メダルに続き、2戦連続となるメダル獲得を果たした。
決勝 強すぎるチャンピオン
決勝のカードはラブレイセン対ヤコフレフ(イスラエル)。1本目は逃げるヤコフレフを何とか捕えたラブレイセンだが、2本目は後ろから一気に捲って、残り半周でヤコフレフが諦めてしまう強さを見せて優勝を決めた。
ラブレイセンが第1戦同様に金メダルを獲得。2位はヤコフレフ、3位に太田海也という最終結果となった。
選手名 | 国名 | 予選タイム(予選順位) | ||
優勝 | ハリー・ラブレイセン | LAVREYSEN Harrie | オランダ | 9.490(1位) |
2位 | ミカイル・ヤコフレフ | YAKOVLEV Mikhail | イスラエル | 9.688(2位) |
3位 | 太田海也 | 日本 | 9.824(5位) |