2021年、2022年の世界選手権では女子ケイリンで銀メダルを獲得し、日本国内のガールズケイリンでも無双状態の”サトミナ”こと佐藤水菜。
2月23~26日に実施された『UCIトラックネーションズカップ第1戦』では、女子ケイリンで自身初となるネーションズカップ金メダルを獲得。これまで佐藤に足りなかった”最後のピース”を手に入れた大会となった。
レースを振り返りながら、佐藤の今、そして今後に改めて注目したい。
レースを読む冷静さ
今回の第1戦、改めて佐藤のレースを振り返ると、その冷静さに驚かされる。
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1回戦は残り2周回まで最後尾。最終周回前に内から位置を上げていったが、前には選手たちの壁が待っていた。しかし慌てる様子はなく、最終周回に入る直前に集団内で攻め込むスペースを見つけると、一気に先頭へと抜け出て1着。
準決勝は先行力のある2人(マチルド・グロ&梅川風子)を前に置いての3着フィニッシュ。途中で先頭となった佐藤は、2人が上がってくるのを見ると、余計な駆け引きを行わずに前を譲る。
最後には前にいた先行力が強い2人に外から並びかけ、自分の後ろにいた選手たちを前に出させずに3着で勝ち上がりを果たした(準決勝は3着までが決勝へ)。
決勝は先頭の位置でのスタートとなったが、残り2周で再びマチルド・グロを前に出して2番手を位置取る。佐藤の外側を並走していた選手に蓋をされるような形となり、前へ抜け出る道が開く残り半周までじっと待つ展開。
最後の半周で並走していた選手がじりじりと後退したために、開いたスペースを逃さず切れ味の良い捲りで1着フィニッシュとした。
1回戦から決勝までの3レースで、「チャンスを待つ冷静さ」に加えて「チャンスが来た時に逃さない脚力」を見せた佐藤の力強さを感じるレースとなった。