レースを読む冷静さ

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遂に獲得、世界レベルの大会で悲願の『金』

国際大会で、それもオリンピックのポイント争いが行われているレースで「表彰台のトップ」を得た佐藤。

実は佐藤にとって世界レベルでの金メダル獲得は自身初となる。女子ケイリンで2年連続の世界選手権2位、そして2022年5月に行われたネーションズカップでは2位と、世界レベルの大会では”金”を獲得できていなかった。

もちろん新型コロナ禍でレースの数が少なかったこと、チームのコロナ対策などで海外のレースに参加出来ていなかったことなどが理由として挙げられるが、佐藤に足りなかったのは世界レベルの大会での「優勝」という実績だった。

加えて2022年ガールズグランプリでは大本命ながらも落車してしまうなど、どのレースでも、”あと一歩”で頂点に届かなかったが、UCIトラックネーションズカップ第1戦の女子ケイリンでは見事に1着。

念願の『金』メダル獲得を果たした。

埋まったラストピース

元々、自分の走りに自信を見せていた佐藤だが、2月のUCIトラックネーションズカップ第1戦で得た経験と金メダル獲得という実績は、佐藤に更なる”自信”を与えることになるだろう。

東京2020オリンピックに出場した脇本雄太選手や新田祐大選手も、ワールドカップ(ネーションズカップの旧称)での金メダルを獲得したことで自信を付けて世界と戦っていった。立場が実績を作るのか、実績が立場を作るのか、アスリートで考えるならば「実績が立場を作る」のだと筆者は考える。

そういった意味で、佐藤に唯一欠けていた”実績”はネーションズカップ第1戦の結果で埋めることができた。

実績に裏付けされた”自信”を持って今後のレースに臨む佐藤、今までも十分に強かっただけに、今後は正直想像が付かないが、パリ2024に向けて期待できることは間違いない。

UCIトラックネーションズカップ第2戦、エジプト・カイロ大会は3月14日~17日で開催予定。

大会で再び活躍するであろう佐藤と日本チームに期待を寄せて、吉報を待ちたい。

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