UCIトラックチャンピオンズリーグ第3戦で中野慎詞がケイリンで決勝に進出し、強豪がひしめき合うレースで3位となった。優勝はハリー・ラブレイセン(オランダ)を下してマシュー・リチャードソン(オーストラリア)。男子短距離は総合成績トップを争う2強の戦いが続いている。

およそ1か月の間に全5戦が行われ、総合結果で争われるUCIトラックチャンピオンズリーグ。第3戦が11月26日にフランス・パリで実施された。第1、2戦を経て、男子短距離はハリー・ラブレイセン(オランダ)がトップの74ポイント、続いてラブレイセンに2回連続でスプリントで勝利を収めているマシュー・リチャードソン(オーストラリア・72ポイント)、シュテファン・ボティシャー(ドイツ・58ポイント)がトップ3、日本の中野慎詞は第2戦での降格もあり15位・13ポイントで第3戦を迎えた。

男子スプリント

第3戦は男子スプリントから始まった。

中野慎詞が出場したのは1回戦の4組。暫定総合3位のシュテファン・ボティシャーと7位のミカイル・ヤコフレフ(イスラエル)との戦い。最後尾から残り2周で仕掛ける中野だが、先頭のヤコフレフに並走されて前に出れず、再度最後尾に戻って最終周回では仕切り直しとなる。

最終周回で2番手だったボティシャーが仕掛けるとヤコフレフをかわして先着。中野は後ろから再度仕掛けたものの、ボティシャーには届かず2着となり、準決勝に進出することはできなかった。

3度目の勝負はラブレイセンが勝利

準決勝を経て決勝まで勝ち上がったのはハリー・ラブレイセン(オランダ)とマシュー・リチャードソン(オーストラリア)。ここまで第1戦、第2戦とリチャードソンが勝っており、「リベンジする」と第2戦の終了時に語っていたラブレイセンとのシリーズ3回目の対戦となった。

レースは前にリチャードソン、後ろにラブレイセンで進み。最終周回で両者がスプリント体制へと入る。残り半周から猛スピードで並びかけたラブレイセンが最終ストレートで追い込んで先着。シリーズ3度目の頂上決戦を制して”リベンジ”を果たす形となった。

男子スプリント1回戦結果PDF
男子スプリント決勝結果PDF

今日も”先行”の中野が決勝進出

男子ケイリンは6人ずつ3組となり、各組2着までが決勝へ進出する。中野はこれまで決勝進出を果たせていないが、どのレースも積極的に仕掛けて、レースを動かしてきている。第3戦こそは決勝進出へと期待が掛かった1回戦。

暫定総合2位のリチャードソンを含めた強豪たちとのレースとなったが、最後尾から残り2周で一気に前に出た中野。そのまま先行すると、最終ストレートでリチャードソンに抜かされたものの、2着でフィニッシュ。

第3戦でシリーズ3回目の先行を実行し、決勝進出を決めた。

男子ケイリン1回戦結果PDF

今回こそはの気持ちで挑んだ結果

決勝は暫定総合トップのラブレイセン、同2位のリチャードソン、同3位のボティシャー、2022世界選手権1kmタイムトライアル王者のジェフリー・ホーフラント(オランダ)、アジアの強豪ジャイ・アングスタサウイット(タイ)に加えて中野慎詞となり、誰が勝っても不思議でないメンバー。

レースは中野、ホーフラント、ラブレイセン、リチャードソン、アングスタサウイット、ボティシャーの順で進む。

残り3周のペーサー退避では選手たちは動かず、残り2周を切るところで2番手だったホーフラントが中野の前へと出る。中野は2番手と絶好の位置を得て、最終周回へ。

しかし最終周回前には3番手にいたラブレイセンが動き出して位置を上げてくると、続いたのはリチャードソン。

ホーフラントとラブレイセンが並ぶと、先頭争いは残り半周で決着がつき、ラブレイセンが先頭。外からはリチャードソンがラブレイセンを捕らえに踏み込んでいく。3コーナーから最後まで、お互い譲らず並走してフィニッシュへ。僅差となった決着だが、リチャードソンに軍配が上がった。2人の後ろから3着で飛び込んだのは中野。終盤にボティシャーからの追い上げがあったが、最後までペダルを踏み込んで3着を得た。

男子ケイリン決勝結果PDF

マシュー・リチャードソン コメント

マヨルカの第1戦でラブレイセンと良いレースを繰り広げようと話をしていていましたが、本当にそうなっているので、自分でも驚きです。正直、ここまで結果を残せていることだけでも十分ですが、あと2ポイントでリーダージャージも獲得できるということもあり、残りの2戦でもトップを目指して頑張るつもりです。

中野慎詞 コメント

前回の悔しさを活かして挑んだ結果ではありますが、決勝での判断ミスがあったので、そこはしっかりジェイソン(・ニブレット)コーチと確認してアドバイスをもらいました。次のイギリスは最後(2連戦)となりますが、しっかり良い成績を残せるように頑張っていきたいと思います。第3戦も応援ありがとうございました。また頑張ります!

第3戦が終わり、男子短距離はラブレイセンがトップで111ポイント、次いでリチャードソンが109ポイント、3位にボティシャーで86ポイント、4位は大きく離れてコロンビアの2人(ラミレス&キンテロ)が52ポイントで並んでいる。中野は順位を15位から12位に上げている。

男子短距離第3戦終了時 総合順位PDF

上位陣が入れ替わり 混戦続く中長距離

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