2022年11月4日(金)、チーム楽天Kドリームスがファンに向けて『2022世界選手権トラック』の報告会を行った。
イベントには佐藤水菜、梅川風子、山﨑賢人、寺崎浩平、内野艶和、古山稀絵、つい先日チームに加入が発表されたばかりの太田海也、中野慎詞が参加。
チーム楽天Kドリームスと言えば、ファンサービスが多いイメージだが、今回のイベントはどのようなものだったのか。その様子と裏側をレポートする。
オンラインでファンと交流
今回のイベントはオンラインで行われた。
チーム楽天Kドリームスは8月にもファン感謝祭と銘打ち、伊豆ベロドロームツアーや選手の練習風景を見学するイベントを行っていたが、新型コロナウイルスの配慮などもあり募集人数は限られていた。
今回はオンラインということもあり、より多く参加者を募集できたそう。
この日も伊豆ベロドロームでの練習をしてきた選手たち。練習後すぐに駆けつけたということで「お腹すいたー」との声が聞こえてきた。
そう言いつつも、イベントが始まる時間にはそれぞれの席につき、少々緊張の面持ちで待機。
会場に到着した時はワイワイとした雰囲気だったが、オンラインでのファン交流という初めての試みに、選手たちも少し緊張していたのかもしれない。
選手たちは全員同じ会場にいたが、1人1台パソコンが用意されていた。ハウリング防止(マイクに不快な音が入ること)のため自分が喋らない時はミュートにするなどの決まりごとがあったのだが、ミュートし忘れる選手が続出。
司会者に何度も注意されていたが、それはそれで参加者の笑いを誘っていた。
世界選手権のレースを振り返る選手たち。初めて世界選に参加した内野艶和は参加者からの「初めての世界選手権はどうでしたか?」という質問に対し、「世界のレベルが高いと感じた。今回は緊張して参加しただけみたいになってしまったところもあったので、これからは自分も積極的にレースに臨めるようにしたい」と語った。
銀メダルを獲得した佐藤水菜。参加者とともにレース映像を観戦しながら、今年リベンジが叶わなかったリー ソフィー・フリードリッヒに対して「今年こそは絶対!」と粘っていたと、レースを振り返っていた。
佐藤水菜、相変わらずの自由人
報告会の最中、佐藤水菜が隣にいる中野や梅川を隠し撮りしていた。報告会は全体で1時間半ほど。それほど長い時間ではなかったのだが、集中力が切れてしまったよう。
途中、梅川の席まで行き、彼女のカメラに映り込みピースをするなど、仲の良さが垣間見えた。それにしても佐藤は相変わらずの自由っぷりだ。
体調管理やオフの過ごし方は?ファンの素朴な疑問に答える
イベント内ではファンから事前に募集していた質問に選手が答えるコーナーもあった。
体調管理の方法やオフの日の過ごし方など、レース以外の質問が多く寄せられていた印象だ。
体調管理の方法を聞かれた佐藤水菜は、「よく食べてよく寝る!」と回答。
また、試合へのモチベーションの高め方を聞かれ、梅川風子にちょっかいを出すのがレース時に緊張しないための秘訣だと話していた。
そんな梅川には、参加者から人生相談のような悩みが届いていた。
会社員だという方から、「チーム内のコミュニケーションを円滑にするにはどうしたらいいでしょうか?」という質問。
それに対して梅川は、「私たちは個人競技でもあるけれど、チームでも行動しています。その中で、円滑に進めなくてはいけないこともあります。そんな中で、私はプロジェクトとか同じ体験をするのが1番だと思います。相手のこともよくわかるようになるし、そういうことが大事なんだと思います」と回答。
さすが梅川姉さん。日ごろからチームの姉的存在として頼られているのだろう。何かあったら梅川姉さんに相談するのがいいかもしれない。
山﨑賢人には、「強くなりたい気持ちは人間関係に何か影響を及ぼすか?」という質問。
それに対し山﨑は、「そういう気持ちは自分のことばかりになってしまうので影響あると思います。自分も勝ちたい気持ちが出て視野が狭くなってしまうこともあるので、周りと会話が合わなくなったりとかありますね。でも自分はそれで全然いいと思ってます。結局走る時は1人なので、自分を出すのは大事だと思う」と回答。
山﨑はあまり自分を出すタイプではないように見えるが、レースともなれば上に勝ち上がるために必要なのかもしれない。
寺崎浩平には、「調子をみる際のバロメーターは何ですか?」との質問が来ていた。
それに対して寺崎は、つけていた腕時計を見せつつ、「睡眠とか心拍を測れる時計をつけてるので、そういうのを見ています」と回答した。
このような腕時計は他の選手もつけているらしく、選手たちがそれぞれのカメラに向かって自身の時計を見せてくれた。
選手にとってはちょっとした変化でも、日々の体調を観察することは重要なのだろう。
また、去年から海外遠征に行くようになった寺崎は、「海外での食事のコントロールも大事」だと言及。それに対して「一番大変だったのはどこの国?」と司会者が聞くと、「ぶっちぎりでインドがやばかった」と答えていた。
佐藤水菜はそれを聞いて、「食事とは関係ないけれど、インドの犬にめちゃめちゃ吠えられた!」とインド話をしてくれた。
そして「逃げ足は速いので噛まれませんでした!」とドヤ。競輪選手なので逃げ足は速いようだ。
自転車競技にまつわるちょっとした失敗談を聞かれた古山稀絵は、失敗談ではないが、高校生の頃のこぼれ話を教えてくれた。
「ロードではトイレ休憩がないから、ギリギリまでトイレを我慢してから乗ると、早くトイレに行きたいからタイムを早めることができるんです。高校の時はよくやってました」との話に、参加者からも笑いが溢れる。
同じ中長距離選手の内野艶和は同意を求められ少し戸惑っていた様子。
佐藤水菜が「トイレ我慢してもタイム速くならないんですが、秘訣教えてもらってもいいですか?」と聞くと、古山は「なるべく出ないように力入れてもらって…」と教えていた。
短距離組の梅川や佐藤がツッコミを入れるなど、終始チーム内の仲の良さが伺えた。