スペインのマヨルカ島で開幕した2022UCIチャンピオンズリーグ。日本から参戦した中野慎詞は開幕戦で積極的なレースを見せて総合8位、内野艶和は総合18位でシリーズのスタートを切る結果となった。

男子短距離では世界選手権で活躍したハリー・ラブレイセン(オランダ)がケイリンを制し、マシュー・リチャードソン(オーストラリア)がスプリントでラブレイセンを下し、今後の2強の対決を期待させる結果を残した。

2022UCIチャンピオンズリーグは11月12日から全5戦の日程で欧州各国で実施されるシリーズ戦。

トラック競技の振興とエンタメ化が目的で、競技の中でも人気の高いケイリン、スプリント、スクラッチ、エリミネーションの4種目だけを行い、世界各国から招待された72人(短距離男子18人、女子18人、中長距離男子18人、女子18人)の選手たちが12月4日に予定のグランドファイナルの総合優勝をかけて戦う。

その開幕戦が、11月12日、スペイン・マヨルカ島で実施された。このシリーズ戦に日本から中野慎詞(チーム楽天Kドリームス)が男子短距離に、内野艶和(チーム楽天Kドリームス)が女子の中長距離に参戦。

先行で仕掛ける中野慎詞 ケイリンはラブレイセンが制す

↑このレースに懸ける気合が感じられる写真

中野のチャンピオンズリーグ初レースは男子ケイリン。同組に2020東京オリンピック銀メダルのアジズルハスニ・アワン(マレーシア)、2022世界選手権チームスプリント金メダルのオーストラリアから、トーマス・コーニシュとマシュー・リチャードソンなどが同組となる。レースは2着までが決勝へと進む。

マシュー・リチャードソン

先導するペーサーが退避すると残り3周。アワンを前に最後尾となった中野。まずはアワンが5番手から位置を上げていくと、アワンに中野が続いていく。残り2周を前にアワンが一度先頭へ出るが、更に後ろから中野が仕掛ける。

残り2周では先頭となった中野。アワンが中野との距離を開きながら、後続をけん制しつつ最終周回へ。

先頭で粘る中野だったが、残り半周から3番手、4番手となっていたリチャードソンとコーニッシュが外から加速していくと、一気に中野を捕らえ、最終ストレートで完全に抜け出してワンツーフィニッシュを決めた。中野はレースを諦めずに3着でフィニッシュラインを駆け抜けたが、決勝進出は成らなかった。

各国の2着までが顔を揃えた決勝は、現在世界最強のスプリンターと評されるハリー・ラブレイセン(オランダ)、2021年の本大会で大活躍して総合2位となったシュテファン・ボティシャー(ドイツ)、2022世界選手権チームスプリント金メダルのオーストラリアコンビ、トーマス・コーニシュとマシュー・リチャードソン、サンティアゴ・ラミレス(コロンビア)、そして2021年大会でブレイクした新鋭、ミカイル・ヤコフレフ(イスラエル)。

※ヤコフレフはロシア登録だったが、昨今の国際状況で登録をロシアからイスラエルに移して出場した

レースは残り3周。後方からコーニッシュとリチャードソンが加速していき、その2人に続くのはラブレイセン。残り2周ではコーニッシュ、リチャードソン、ラブレイセン、ヤコフレフ、ボティシャーの並びとなる。

最終周回で同時に加速していくのはリチャードソンとラブレイセン。コーニッシュをかわして内にリチャードソン、外にラブレイセンとなり、並走しつつ最終ストレートへと突入する。

大外からはボティシャーも迫ってくる展開。しかし最後に伸びたラブレイセンが先着。2着には大外から追い込んだボティシャー、そして3着にリチャードソンという結果となった。

スプリントではリチャードンソンが大金星

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