10月16日に終了した『2022世界選手権トラック』。51カ国がエントリーした本大会。レースはもちろん、各国の選手やチーム同士が交流できる貴重な舞台でもある。
そんな2022年の世界選手権で見られた国際交流のうち、選手のSNSなどでで明かされた1幕をご紹介する。
女子チームパシュートでの交流
大会初日・2日目に実施された女子チームパシュート。
本種目に出場したドイツチームのフランチスカ・ブラウスとマイキ・クローガは、同じくエントリーしていたナイジェリアチームにタイムトライアル用のハンドルバー(TTバー)をプレゼントとして手渡した。
これは事前に準備していたものではなく、ドイツチームの2人が大会開催中にとっさにとった行動。トレジャー・コックソンなど、ナイジェリアチームの選手らが自身のSNSへ投稿し、その後ニュースとして広まっていった。
世界選手権デビューから1年
ナイジェリア女子チームパシュートの4選手は、フランス・ルーベで開催された前回大会(2021)にて世界選手権デビューを果たし、チームパシュートを含む計5種目に出場。
出場枠争いがシビアな世界選手権だが、その中でチームスプリント・チームパシュートは唯一各国に1枠が約束され、門戸が開かれた種目でもある。
2021年大会にてチームパシュートに出場したナイジェリアチーム。しかし出場チームのうちこのチームだけがTTバーが装備されていないバイクで出走し、5分33秒212で最下位に終わった。
2大会目となった『2022世界選手権トラック』の女子チームパシュートへも、同じくドロップハンドルを使用した唯一のチームとして出場。結果は最下位となったものの、前回大会より約10秒もタイムを速め(5分24秒549)、成長しつつあることを示した。
空気抵抗の面で不利となるドロップハンドルを使用するも、1年で10秒近くを縮めたナイジェリアチームの走り。
女子チームパシュートの世界記録を保持するドイツ選手の2人がその光景を目にした後、即座に行動を起こし今回の交流に至った。