中長距離 女子ジュニア選手が鍵か?

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ポジション等は未確定 チームスプリント

ジェイソン・ニブレット短距離コーチより、短距離チームの戦略が伝えられた。

「短距離チームはチームスプリントに重きを置く戦略です。BMXレーシングで東京2020オリンピックに出場した長迫吉拓が、チームスプリント1走としてトラック競技に専念してくれています。世界選手権でメダルを獲得した、レベルが上がりつつあるジュニアの選手もいる。近年ナショナルチームに加入した若手の選手も何人かおり、彼らもまたチームスプリントで成績を残してくれています。良い流れの中にいます。

ただし、現時点では『誰がどのポジション』というところまでは確定していません。まだチーム内で争っている状況です」

10月の世界選手権から、オリンピックへの戦いは始まっている

「女子は10月の世界選手権を見て、今後の強化を続けるかを決定します。もしそこで『競走力がない』と判断した場合、個人種目でのオリンピック出場枠を目指し、個人種目の強化に専念していきます。

オリンピック出場枠を取るためにはトップ8位に入る必要があります。もし世界選手権の結果がこれに遠く及ばないようなものなら、現実的に考えて諦めることになるでしょう。個人種目では世界と戦える力があることが証明できているので、そちらに注力していく形です。

10月にパリで実施される世界選手権は、非常に重要な大会です。なぜなら、この大会で成績を残すことが、来年の世界選手権の出場枠に繋がるから。この『来年の世界選手権』がオリンピックポイント(オリンピック出場枠を決めるためのポイント)の対象となりますので、パリオリンピックに向けとても大事になるのです」

新世代を信じている

脇本雄太選手は国内の大会に出場し結果を残している。ナショナルチームに戻ってもらう、ということはないのか?これに関して、ブノワ&ジェイソン両氏がコメントした。

ブノワ「脇本選手は自身の判断で、国内の大会にのみ出場しています。私から言いたいのは、『次世代の選手を信頼して欲しい』ということです。脇本選手はまだまだ強いしポテンシャルがありますが、脇本選手を超えるような、もっと強い選手を育成していきます」

ジェイソン「脇本選手も新田祐大選手も、完全に離れたわけではありません。脇本選手はしばらく伊豆トレーニング環境に残っていましたし、新田選手もまだ残っています。2人が豊富な知識や経験を次世代の選手に教えていくことで、次世代選手はもちろんのこと、彼ら自身のレベルアップにもつながります。脇本選手は自分のトレーニング環境に戻りますが、彼らがチームに残ったり影響を与えてくれたりすることは、とてもラッキーだと考えています」

パリオリンピックへの戦いは今から始まっている。

パリ2024に向けた新たな布陣 トラックナショナルチーム新体制発表