中長距離種目・男子
男子中長距離では、特定少数の選手が表彰台を独占するのではなく、多くの選手がメダルを獲得する混戦となった。
そのなかで唯一2冠を達成したのが、カナダのカルソン・マターン。個人パシュートとオムニアムで金メダルを勝ち取った。
その他、チームパシュートではイタリアチームが決勝にて、大会唯一となる3分台を記録し優勝。エリートカテゴリー同様、本種目での無類の強さを発揮した。
男子個人パシュート
順位 | 選手名 | 国名 | 決勝タイム | |
1位 | カルソン・マターン | MATTERN Carson | カナダ | 3:10.889 |
2位 | テオドール・ストーム | STORM Theodor | デンマーク | 3:11.040 |
3位 | ベン・ジョーカム | JOCHUM Ben | ドイツ | 追い抜き |
男子チームパシュート
順位 | 国名 | 選手名 | 決勝タイム | |
1位 | イタリア | レナート・ファヴェーロ アレッシオ・デッレ ベドベ ルカ・ギアーミ マッテオ・フィオリン アンドレア・ラッカーニ ノビーロ |
FAVERO Renato DELLE VEDOVE Alessio GIAIMI Luca FIORIN Matteo RACCAGNI NOVIERO Andrea |
3:58.853 |
2位 | ドイツ | トビアス・ミュラー ベン・ジョーカム ブルーノ・ケスラー ヤスパー・シュローダー レオン・アレンツ |
MULLER Tobias JOCHUM Ben KESSLER Bruno SCHRODER Jasper ARENZ Leon |
4:00.779 |
3位 | ニュージーランド | カイル・エイキン ルウィス・ジョンストン ジョエル・ダグラス オリバー・ワトソン パーマー エドワード・ポーソン |
AITKEN Kyle JOHNSTON Lewis DOUGLAS Joel WATSON PALMER Oliver PAWSON Edward |
4:10.330 |
リザルトPDF(決勝)
リザルトPDF(1回戦)
リザルトPDF(予選)
男子スクラッチ
順位 | 選手名 | 国名 | |
1位 | ドミニク・ラタイチャック | RATAJCZAK Dominik | ポーランド |
2位 | ダニール・ヨコブレフ | YAKOVLEV Daniil | ウクライナ |
3位 | ザック・アーゼン | ERZEN Zak | スロベニア |
男子エリミネーション
順位 | 選手名 | 国名 | |
1位 | ザック・アーゼン | ERZEN Zak | スロベニア |
2位 | ヨハン・マリーン | MARIN Jhohan | コロンビア |
3位 | マティアス・コブリジェック | KOBLIZEK Matyas | チェコ |
男子ポイントレース
順位 | 選手名 | 国名 | ポイント | |
1位 | ブルーノ・ケスラー | KESSLER Bruno | ドイツ | 72ポイント(3ラップ*) |
2位 | ダリオ・ベレッタ | BELLETTA Dario | イタリア | 70ポイント(2ラップ) |
3位 | バレンティン・カバッシーニ | KABASHNYI Valentyn | ウクライナ | 49ポイント(2ラップ) |
※ラップ:集団に1周差をつける行為。1ラップするごとに20ポイントが加算される。
男子オムニアム
順位 | 選手名 | 国名 | ポイント | |
1位 | カルソン・マターン | MATTERN Carson | カナダ | 120ポイント |
2位 | ドミニク・ラタイチャック | RATAJCZAK Dominik | ポーランド | 111ポイント |
3位 | トビアス・ミュラー | MULLER Tobias | ドイツ | 109ポイント |
男子マディソン
順位 | 国名 | 選手名 | ポイント | |
1位 | チェコ | ミラン・カドレック ラドバン・ステック |
KADLEC Milan STEC Radovan |
34ポイント |
2位 | ウクライナ | バレンティン・カバッシーニ ダニール・ヨコブレフ |
KABASHNYI Valentyn YAKOVLEV Daniil |
25ポイント |
3位 | ドイツ | ブルーノ・ケスラー ヤスパー・シュローダー |
KESSLER Bruno SCHRODER Jasper |
21ポイント |
中長距離種目・女子
男子と同じく、多くの選手がメダルを獲得する混戦となった女子中長距離。
日本チームから4人が参戦し、マディソンに出場した垣田真穂と池田瑞紀が見事銅メダル獲得を果たした。
垣田と池田に水谷彩奈と岡本美咲を加えた4人で出場したチームパシュートでは惜しくも4位。全員でのメダル獲得とはならなかったが、世界の舞台で存在感を示す大会となった。
女子個人パシュート
順位 | 選手名 | 国名 | 決勝タイム | |
1位 | フェデリカ・ヴェントゥーリ | VENTURELLI Federica | イタリア | 2:22.891 |
2位 | イザベル・シャープ | SHARP Isabel | イギリス | 2:28.887 |
3位 | ララ・ラルモン | LALLEMANT Lara | フランス | 2:22.749 |
6位 | 池田瑞紀 | 日本 | 2:24.836(予選タイム) |
日本からは池田瑞紀が出場した女子個人パシュート。2022年のアジア選手権(ジュニア)を制した記録に近いタイムを出したものの、決勝進出とはならなかった。
優勝を果たしのはイタリアのフェデリカ・ヴェントゥーリ。予選・決勝ともに他者を寄せ付けない好タイムで金メダルを獲得した。
女子チームパシュート
順位 | 国名 | 選手名 | 決勝タイム | |
1位 | フランス | クリモンス・シェルー アローア・ペノール ハイディ・ゴーゲン ララ・ラルモン |
CHEREAU Clemence PERNOLLET Aurore GAUGAIN Heidi LALLEMANT Lara |
4:25.480 |
2位 | イタリア | マルティナ・サンフィリッポ フェデリカ・ヴェントゥーリ フランチェスカ・ペレグリーニ ヴァレンティーナ・ザンジ ビットリア・グラッシ |
SANFILIPPO Martina VENTURELLI Federica PELLEGRINI Francesca ZANZI Valentina GRASSI Vitorria |
4:33.800 |
3位 | ドイツ | ユスティナ・チャプラ マグドレーナ・フックス シーナ・リトバルスキー グレイ ハンナ・クンツ ジェット・シモン |
CZAPLA Justyna FUCHS Magdalena LITTBARSKI GRAY Seana KUNZ Hannah SIMON Jette |
4:32.665 |
4位 | 日本 | 垣田真穂 水谷彩奈 池田瑞紀 岡本美咲 |
4:34.133 |
リザルトPDF(決勝)
リザルトPDF(1回戦)
リザルトPDF(予選)
8カ国が出場した女子チームパシュート。日本チームもアジア唯一のエントリー国として参戦した。
8カ国中、予選を2位のタイムで通過した日本チームは、1回戦(準決勝)でさらに速いタイムを記録。
しかし、予選よりも速いタイムを記録した決勝では、その他の国も調子を上げ最終結果は4位。
僅かに表彰台には届かなかったが、今後の活躍が大いに期待できるレースとなった。
なお従来のジュニア日本記録(4:39.374、2015年)を上回り、日本新記録にもなっている。
女子チームパシュートの金メダルに輝いたのは、フランスチーム。決勝では今大会唯一の4分20秒台という好タイムを記録し、ダントツでの優勝を飾った。
女子スクラッチ
順位 | 選手名 | 国名 | |
1位 | マヤ・トラッカ | TRACKA Maja | ポーランド |
2位 | クロエ・パトリック | PATRICK Chloe | アメリカ |
3位 | アンナ・コリズク | KOLYZHUK Anna | ウクライナ |
11位 | 岡本美咲 | 日本 |
24人が出走した女子スクラッチ。日本からは岡本美咲が出場したが、結果は11位と表彰台には届かなかった。
エリミネーション
順位 | 選手名 | 国名 | |
1位 | バルボラ・ネムコバ | NEMCOVA Barbora | チェコ |
2位 | アンナ・コリズク | KOLYZHUK Anna | ウクライナ |
3位 | イザベル・シャープ | SHARP Isabel | イギリス |
19位 | 垣田真穂 | 日本 |
女子エリミネーションには24人が出走。日本からは、2022年のアジア選手権(ジュニア)にて2冠を達成した垣田真穂が出場するも結果は19位となった。
徐々に1人づずつレースから除外(エリミネート)されていくエリミネーション。最後まで残った2人によるスプリントさながらの争いを制し、全ての周回を走り切ったバルボラ・ネムコバが金メダルを勝ち取った。
ポイントレース
順位 | 選手名 | 国名 | ポイント | |
1位 | ハイディ・ゴーゲン | GAUGAIN Heidi | フランス | 45ポイント |
2位 | クロエ・パトリック | PATRICK Chloe | アメリカ | 30ポイント |
3位 | アンナ・コリズク | KOLYZHUK Anna | ウクライナ | 26ポイント |
5位 | 水谷彩奈 | MIZUTANI Ayana | 日本 | 11ポイント |
22人が出走した女子ポイントレース。日本からは水谷彩奈が出場するも、表彰台まであと僅かに届かず結果は5位となった。
表彰台には、唯一ラップを成功させた3人が並び、さらに唯一ラップを2回成功させたハイディ・ゴーゲンが高ポイントで優勝を果たした。
オムニアム
順位 | 選手名 | 国名 | ポイント | |
1位 | アローア・ペノール | PERNOLLET Aurore | フランス | 119ポイント |
2位 | マヤ・トラッカ | TRACKA Maja | ポーランド | 106ポイント |
3位 | グレース・リスター | LISTER Grace | イギリス | 104ポイント |
13位 | 垣田真穂 | 日本 | 51ポイント |
4種目を1日で実施し、その合計ポイントを争う過酷な複合種目であるオムニアム。24人が出走するなか日本からは垣田が出場。
スクラッチ・テンポレース・エリミネーションでは上位に絡むことができず、迎えた4種目のポイントレースでは1着でスプリント周回を通過するなどの巻き返しを見せるも、表彰台には届かず結果は13位となった。
マディソン
順位 | 国名 | 選手名 | ポイント | |
1位 | イギリス | グレース・リスター ゾーイ・バックステッド |
LISTER Grace BACKSTEDT Zoe |
53ポイント |
2位 | 日本 | 垣田真穂 池田瑞紀 |
KAKITA Maho IKEDA Mizuki |
42ポイント |
3位 | オランダ | バベット・ファンデル ウルフ ニンケ・ヴィーンホーフェン |
VAN DER WOLF Babette VEENHOVEN Nienke |
13ポイント |
チームパシュート、個人種目では惜しくも表彰台を逃していた女子中長距離日本チーム。
10組20人が出場した女子マディソンには、垣田と池田のコンビが日本から参戦。
計8回あるスプリント周回を複数回に渡り1位で通過し、さらにラップも成功させるなどの好調な走りを見せた。
しかし、日本チームとともに唯一ラップを成功させていたイギリスチームが、獲得ポイントの高い最終周回を1着で通過。一気に10ポイントを獲得し、金メダルを勝ち取った。
日本チームは金メダルまであと一歩届かなかったものの、世界の舞台で銀メダルを獲得し、存在感を示す結果となった。
さらなる活躍、新たな世代の台頭に注目
以上、本記事では『2022ジュニア世界選手権トラック』のリザルトと日本チームの成績を一挙にご紹介してきた。
合計すると銀1枚・銅2枚の3枚のメダルを獲得した日本チーム。6月に開催されたアジア選手権(ジュニア)に続き、世界の舞台でもその力を発揮し存在感を示す大会となった。
今後「U23・エリート」とカテゴリーを上げていくごとに、どんな走りを見せてくれるのか大いに期待したい。
また、毎年台頭する新たな世代の活躍にも引き続き要注目だ。
参照:公式リザルト(2022jrworlds.veloresults.com) , 大会公式サイト
写真出典:大会公式 facebook , @Gilad Kavalerchik