リサ・ブレナウアーの略歴

2/2 Page

画像出典:UEC 公式facebook

リサ・ブレナウアーの引退を所属チーム(ロード)の「CERATIZIT – WNT Pro Cycling」が発表したのは8月3日。8月11日〜21日の期間で開催された『2022 UECヨーロッパ選手権』の開幕直前のことだった。

自国ドイツ・ミュンヘンで開催された本大会を前に、チームが公開したインタビュー映像から本人のコメントをご紹介する。

「私のキャリアは素晴らしいことの連続」

「ミュンヘンで開催される『2022 UECヨーロッパ選手権』まであと数日ですが、本大会がプロ選手として参加する最後のレースになります。

最後を飾るにはとても良い大会だと思います。会場は私の出身でありホームであるバイエルン州(Bavaria)からとても近く、家族や多くの友人が私の最後のレースを見に来てくれます。

今大会を機に引退しようという決断に至った時は、特に思いつめるようなことはありませんでした。

去年(2021年)を戦い抜いて、自分の将来や人生の計画について考えるようになり、今回の決断もそのプロセスの一部だったのだと思います。そして、自分でも納得できる引退のタイミングが”ここ”だったのです。

引退について打ち明けると、仲間のみんなは冷静に聞いてくれて、私自身がしたこの決断に納得してくれた様子でした。その瞬間、私が挑戦したかったことは全て挑戦でき、決断のタイミングは間違っていなかったのだと、改めて思うことができました。

私の選手人生は素晴らしい事の連続でした。もちろん去年の東京オリンピックで、チームメイトとともにチームパシュートで優勝できたこともとても幸せな事でしたが、その他にも数えきれない程の素晴らしい思い出があります。

私にとってのスポーツとはチームで行うものです。チームの一員としてどうすれば最高な仕事ができるか、チーム一丸となり目標を達成するために、また、チームを鼓舞し続けるためにはどうすれば良いかなど、多くのことを学びました。

また、自転車競技選手としてだけでなく人生においても、上手くいかないことに対してどう接するべきか、などについても学ぶことができとても幸せなキャリアだったと思います」

フランチスカ・ブラウスケイティ・アーチボルドなど「CERATIZIT – WNT Pro Cycling」のチームメイトからは、引退を祝福し今後の活動を応援するメッセージが公開された。

最終レースで引退セレモニー

画像出典:UEC 公式facebook

リサ・ブレナウアーにとって現役最後のレースとなったのは、『2022 UECヨーロッパ選手権』の女子ロードレース。

4位でフィニッシュし惜しくもメダル獲得とはならなかったが、女子ロードレースの世界チャンピオンらが出場する接戦を走りきり、入賞を果たした。

そしてレース終了後には、リサ・ブレナウアーの引退セレモニーがコース上で行われた。ドイツのチームメイトに囲まれ、自国のファンからの声援を受けたリサ・ブレナウアーは、涙を浮かべながらも手を振り観客たちに応えていた。

今後の活動について

メダルを複数枚獲得し有終の美を飾った『2022 UECヨーロッパ選手権』を最後に、プロ選手を引退したリサ・ブレナウアー。

気になる引退後の計画についてだが、まだその詳細は公表されていない。

しかし、ドイツ国内自転車競技連盟はリサ・ブレナウアーに対し、ドイツチームのコーチに就任してほしいとのオファーを出しているようだ。

2022年以前に引退していったその他のスター選手たちのように、もしリサ・ブレナウアーがドイツチームのコーチに就任すれば、ベロドロームでまたその姿を見ることができるかもしれない。

リサ・ブレナウアーの功績を振り返りながら、今後の動向についても注目していきたい。

参照:rad-net(ドイツ国内自転車競技連盟)